バスに揺られてつい眠たくなってしまい
うたた寝をしていると、目的地に到着したらしく
隣に座っていた轟に起こされた
ままだ意識がハッキリせず、ボーッとしながら
バスの窓から外を見てみた
すると、相澤先生がコッチを見ていて
いかにも、「 早く来い 」とでも言いたそうな
顔をしていた
寝起きに怒られるのは勘弁して欲しいため
私は轟の手を借りて、そそくさとバスから降りた
みんなの後を追いかけて、着いた場所は立派な建物
その建物は訓練会場で、USJと言う名前らしく
大きなドームの中には水場や、雨風が激しい場所、
岩がゴツゴツと沢山ある険しい場所もあった
最初に相澤先生が言っていた、「 設備が整っている 」
というのは、どうやら本当のことだったらしい
そして相澤先生に続き、轟と一緒に列の後方にいると
私がコッチの世界に来た直後にもいた、
宇宙人みたいな先生がいた
その人はどうやら13号という名前のようで
今更ながら、自己紹介をしていた
途中、ヒーローについて語っていたらしく
クラスメイトが拍手を送る中、
私は理解出来ず、轟の顔に目線を移してみると
轟も理解出来ていない顔をしていたため
コッチも安心してしまった
13号の長い話は終わり、いよいよ本命である
人命救助訓練が始まろうとしていた
みんな楽しみだったのか、
周りから明るい声がチラホラと聞こえてくる
でも楽しい時間は一瞬にして過ぎ去り
悪夢と化す
ズ ズ ズ ズ ...
噴水辺りに黒い渦の様な物が現れる
これも訓練の一環かと思い、階段から見上げていると
それに気づいた相澤先生が私達に向かって叫ぶ
そう言われ、クラスの奴らは驚いて目を見開く
渦の中から出てきた人物は、目をギョロッとさせて
気味の悪い笑みを浮かべる
アレが一体何なのか、私には分からないけど
コッチの世界では悪役的存在なんだと理解できた
きっとヒーロー達は途方のない悪意と向き合い、
戦っているのだろう
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!