委員長になった飯田がみんなを引っ張って
バスに乗せようとしていたけど
飯田が思っていたバスの構造ではなかったらしく、
肩を落としていた光景を、皆から離れた所で見ていた
後ろから轟が話しかけてきた
びっくりしたけど声を出す余裕がなく、
時差を生じて返事をした
轟は顔をコテン、と傾けて不思議そうな顔で
こっちを見てくる
恐らく無意識でやっているのだろう
無意識なところは、ちょっと恵と似ている気がする
バスの前に行くと、轟が急に止まって
轟の背中にぶつかった
なんで急に止まったんだコイツ、とムカついていると
轟は私の方をクルッと向いてきた
これはレディーファーストってやつ?
さっきムカついたなんて言ったけど、許しちゃうよ
めっちゃ許す
とは言いつつ、特に轟に何も言わずにバスに乗り込む
バスを見渡すと、後ろの席しか空いておらず
そこに腰を下ろす
なんか自然に座ってきた轟
なにコイツ、感鋭すぎ
さっきからコイツの考えてること読めないな
轟は意外とすんなりと諦めてくれた
でも私に対しての疑問は解消されてないらしく、
目を少し細めてこっちを見てくる
思ったより面倒臭いな、
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。