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第21話

XXの開花 XXⅤ
音羽おとは 捺袮なつね
あのさぁ……
呉さんと酒葉さんの決着のつかなそうな試合に最初に口を出したのは捺袮だった。
くれ 葉月はづき
へ?
酒葉さかば みのり
はい?
音羽おとは 捺袮なつね
これ、あと何日で終わる?俺もこんなことにずっと付き合ってられるほど暇じゃないんだけど。
くれ 葉月はづき
……何日、かな?
酒葉さかば みのり
何日でしょうか……
音羽おとは 捺袮なつね
ったく…
顔を見合わせて笑い合う二人を捺袮はユリを見る時のような目で見ていた。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
捺袮君が言わなかったら僕達、2人の試合を永遠に見てたんだろうなぁ…
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
ほんと理解不能。さっさと倒すか倒すの嫌なら降参すればいいのに。
千島ちしま 瑞樹みずき
千早、そんなこと言うなって。
イラついたように足に指先を打ち付けてる千早を俺はなだめる。

すると、呉さんと酒葉さんはフィールドの中央に集まって2人で何か話し始めた。
楠木くすのき しん
あいつら、何してんだ?
千島ちしま 瑞樹みずき
さぁ?
福冨ふくとみ 一霖いちりん
さっきの試合みたいにいきなり実ちゃん、降参とかしないよね?
一霖が苦笑する。

有り得そうで俺も思わず笑ったが、これで降参したら全敗になることに気が付くと笑いは止まる。
全敗って生き残れる可能性あるのか?

それだったら既に一勝はしてる呉さんが降参した方がいいんじゃ…
くれ 葉月はづき
よしっ、いくよ!実ちゃん!
酒葉さかば みのり
負けませんよ!
2人が拳を引いてお互いに向き合う。
楠木くすのき しん
おっ
止めようにもそれはコーチングに入る。

どうにかして伝えれないか、と考えるもそんな都合のいいように俺の頭は働かなかった…。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
決まる感じ?決まる感じ?
千島ちしま 瑞樹みずき
これ、酒葉さんがやば ─────
酒葉さかば みのり
最初はグー!
は?
くれ 葉月はづき
ジャンケン!
ポンッ!!!っと威勢のいい声がフィールドに響くと同時に座っていた千早は…
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
チッ……
と舌打ちをした。
酒葉さかば みのり
あぁ〜!負けちゃいました〜…私の降参です。
音羽おとは 捺袮なつね
………酒葉実の降参により呉葉月の勝利とする。
「こいつらヤバい」と言いたそうな目をした捺袮は静かにそう宣言した。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
マジで何なの…見てて凄い腹立たしいんだけど…
福冨ふくとみ 一霖いちりん
しょうがないよ!それに怒ったらダメだって!ね?
楠木くすのき しん
こっわ…
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
何か言った?
楠木くすのき しん
何も言っていません、ごめんなさい。
ダラダラとした試合に不機嫌な千早は置いといて、酒葉さんが大丈夫かが本当に気になる。
全敗でも大丈夫、とは信じたいけど……
深海ふかみ みぞれ
千島君。
千島ちしま 瑞樹みずき
は、はい?
深海ふかみ みぞれ
多分、全敗の酒葉さんのことで悩んでいるのだと思いますが……
ずっと何かを考えていたのか手元で浮いている水滴を指で遊びながら空を見つめる霙先輩。

すると、突然その水滴は氷柱に変わった。
深海ふかみ みぞれ
──── いつ何処に誰が“勝つことが重要”だと示したのでしょうか。
千島ちしま 瑞樹みずき
!……
俺は慌てて最初に貰った紙を見た。
──────────────────────

第1ゲーム『個人戦』

・自分の能力を試す為のゲーム
・1VS1でのタイマン
・降参有り
・相手が死亡、戦闘不能、または降参で勝利
・能力以外にも外野に影響が無ければ、何を壊して
も良し
・基本、外部からのコーチングは禁止(応援はOK)





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深海ふかみ みぞれ
予選では毒を盛った状態の私達に死んでもいいなら帰っていい、毒を解く為の解毒剤はゲームをクリアすれば手に入るといった内容を言いました。
千島ちしま 瑞樹みずき
でも、確か今回は…
深海ふかみ みぞれ
そういうことです。勝利、敗北条件に対して一切説明していない。試合に勝利する条件は書いてありますけど…
先輩の言う通り、ユリと捺袮がこの個人戦で生き残る為に必要なことは一切言ってなかった。

ただ単に能力の存在について説明しただけ。

そして、このプリントにも試合に勝利する方法しか書いていない。
それってつまり……
千島ちしま 瑞樹みずき
誰でも死ぬ可能性はある…?
先輩を見ると、小さく頷くだけだった。
深海ふかみ みぞれ
全員突破はまず無いでしょう。ランダムも考えにくいです。そうなると判断基準として考えられるのは少ない。全敗、一勝一敗、全勝。あるいは…
持っていた氷柱を投げるとその氷柱は真っ直ぐにユリへと飛んで行く。
ユリ
んー?え、何で氷柱!?
氷柱に驚きながらユリは半笑いの状態でポップコーンが入っていた箱を自分の前に持ち上げ、氷柱から守った。
深海ふかみ みぞれ
ユリさんか捺袮君の独断と偏見です。
ユリ
氷柱、氷柱……あ、そっか。
頭の中で繋がったのか箱に刺さる氷柱から先輩に視線を移したユリ。

先輩と俺の雰囲気から何となく状況を察したのかユリは不気味な笑みを浮かべた。
ユリ
………ほら〜!次の試合の人!早くしようよ〜!
多岐たき 朱音あかね
あ、私だ…
瀬戸口せとぐち りゅう
え、マジっすか。
少し離れたところに座っていた龍が同じ高校の人が立ち上がるのを見て嫌そうな顔をする。
多岐たき 朱音あかね
しょうがないよ、くじだから。
瀬戸口せとぐち りゅう
くじねぇ…
何だかんだ言いながらも2人はフィールドへ。
四月一日わたぬき 柊也とうや
初めての人みたいですね。
くれ 葉月はづき
うんうん。まだ見てない!
音羽おとは 捺袮なつね
多岐朱音、能力はベートーヴェン。
多岐たき 朱音あかね
了解。瀬戸口君、始めて大丈夫?
瀬戸口せとぐち りゅう
先輩が大丈夫ならいいっすよ。
多岐たき 朱音あかね
それじゃあ…お願いします。
会話も多くなく、すんなりと進み一瞬で…
音羽おとは 捺袮なつね
第十六試合、瀬戸口龍 対 多岐朱音。
音羽おとは 捺袮なつね
始め。
─────── 勝負は始まった。