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第15話

XXの開花 ⅩⅢ
瀬戸口せとぐち りゅう
おっ、マジか。
驚いた声を上げたものの龍は軽々と避ける。
……が、いくつか当たった物もあるのか所々から血が流れ出している。
千島ちしま 瑞樹みずき
慎の優勢、か…
くれ 葉月はづき
でも、まだ相手の能力見てないよね?
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
スグに使わないってことはまだ分からない、もしくは戦い向けじゃないってことじゃない?
くれ 葉月はづき
あ〜…
楠木くすのき しん
いってーな、これ…
血がボタボタと流れ出す慎。
苦痛の表情を浮かべるか、切るのをやめない。
瀬戸口せとぐち りゅう
ほんと、痛そうだな。
そう言うと、龍はニッと笑った。
その余裕そうな笑みに俺は違和感を持つ。


本当に慎が優勢なのか……?
それとも、龍はまだ本気を出してないだけとか…


スグにその違和感の正体は分かった。

────── 龍の傷が全て消えていたのだ。
千島ちしま 瑞樹みずき
龍の傷が…
四月一日わたぬき 柊也とうや
…マザーテレサは多くの人々を救ったとされています。それを彼女が回復という風に解釈したのなら瀬戸口先輩の能力は治癒ですね。
自らを傷付けることで攻撃する慎。
攻撃を受けても治すことが出来る龍。

俺は今までの考えが勘違いだと言うことに気付く。

優勢なのは慎ではなく龍だ。
なんせ、慎が能力の使いすぎで血液不足で倒れるのを待つだけで良いのだから。
酒葉さかば みのり
これ、楠木先輩やばいんじゃ…
深海ふかみ みぞれ
相性が悪過ぎです。流石に楠木君も気づいているでしょう…降参するか何とか打開策を考えないと死んでしまいますよ。
くれ 葉月はづき
大丈夫、なのかなぁ……?
心配の声が席から上がる。
隣の一霖も内容までは聞こえなかったけど、両手を組んで祈るように呟き続けている。

慎は深海先輩の言う通り流石にヤバいと思ったのか、何かを考えている様子だった。
瀬戸口せとぐち りゅう
焦ってる様子だな。
楠木くすのき しん
まぁな…血が足りなくなってきて…
血塗れになった腕に視線を一度移すと、慎は龍に答えるように笑みを浮かべた。

そして、ナイフを握り直す。
楠木くすのき しん
…瀬戸口、これが最後の攻撃だ。
ザシュッという嫌な音と共に慎はナイフを深々と腕に突き刺すと、今までと比べ物にならないくらいの血がボタボタと地面に吸い込まれていった。

すると、地面に落ちる寸前にその血液は固まり、鋭い刃となって龍の全方位を囲む。
楠木くすのき しん
───── 行け。
無数の刃が一斉に龍に襲いかかる。
龍は両足を肩幅に開くと、襲ってくる刃を片っ端から弾き飛ばした。

でも、弾けない方が多くて足や脇腹にどんどん突き刺さっていく。
楠木くすのき しん
…足が……
瀬戸口せとぐち りゅう
降参。
千島ちしま 瑞樹みずき
え、いきなり…
慎が膝を着くと同時に龍はいきなり宣言した。
瀬戸口せとぐち りゅう
捺袮君、俺が降参で終わり。
音羽おとは 捺袮なつね
………瀬戸口龍の降参により楠木慎の勝利とする。
諦めたように手を挙げ全てを受けた龍。
スグに傷を治すと、座り込む慎に近付いた。
楠木くすのき しん
お前…余裕かよ……
瀬戸口せとぐち りゅう
まぁな。でも、ここまで命張ったんだから別にいいかなって。
そう明るい笑顔で笑うと、龍は慎の手を取り傷を治したのだった。