第40話
XXの真偽 XXXⅡ
スタート地点に立っている2本の火柱。
どこかに行こうとしたユリはそれを見るなり立ち止まると、すぐにあたしのところに来て…
そう言って、ユリが笑うと火は消えた。
火柱があった場所には骨一つ残っていない。
黒い焼け跡だけがある。
あたしは深海さんと東堂を躊躇なく殺害。
スタートと同時に攻撃を仕掛けたから2人は防御も反撃も出来ずに燃え尽きた。
全ては自分が生きる為、そんな単純な理由で人を殺したあたしは悪人なのだろうか。
きょとんとした表情のユリは無言でプリントを取り出すと、内容を見て笑顔のままフリーズする。
図星だったのかテンパるユリに溜息をついたところであたしは競技場へと転送された…
違うチームである霙先輩と猛先輩が死んだことを瑞樹先輩は凄い悔しそうにしていた。
猛先輩のことはよく分からないけど、霙先輩は同じ学校みたいだし思いれのある先輩なのかな?
少し拗ねたユリちゃんがトランシーバーが入った箱を雑に地面に落としながらそう尋ねる。
その問いに今回もみんなが首を振ったりすると思っていたけど、意外なことに“2人”の手が上がった。
瑞樹先輩の反論に一霖先輩のドヤ顔は崩れて、活躍のないことに少し焦っているのか人差し指を立てて言わないでと笑った。
止める間もなく実ちゃんと一霖先輩の姿が消え、その代わりに捺祢君が召喚された。
捺祢君は私達を見てここがスタート地点の交差点だと分かったのか大きな溜息を零すと、ユリちゃんをじっと見る。
体が浮いた時、瑞樹先輩達に早速攻撃を仕掛けてみようかな?なんて思ったけど思い直してやめた。
多分、これを見ているみんなの為にもユリちゃんと捺祢君の能力が何なのかを知る必要がある。
それで倒せそうな感じだったら、早く美術室に戻って描きかけの絵の続きを描きたい。
でも、ゲームが続いて私の絵が具現化し続けるのもそれはそれで素敵かも!
ルピス病院というちょっとメルヘンチックな名前の病院に着地した私は受付から鉛筆と紙を取りながらトランシーバーに向かって話しかける。
作戦の話をしようとした時、ユリちゃんのでは〜という声が笑い混じりに聞こえてきた。
その後に続いた言葉は…