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第18話

XXの開花 ⅩⅨ
碑賀ひが あずま
なぁ、龍。
瀬戸口せとぐち りゅう
ん?
碑賀ひが あずま
あいつ、聞いたことないか?
碑賀が指したのはフィールドで固まる辻。

辻に視線を送った瀬戸口は呆れた笑みを浮かべる。
瀬戸口せとぐち りゅう
あるある。あの・・辻君でしょ?
碑賀ひが あずま
ああ…
瀬戸口せとぐち りゅう
ほんと凄いよね〜
瀬戸口せとぐち りゅう
彼、凄い軽薄そうに見えて、意外と重厚だし。
褒め言葉を連発する瀬戸口に碑賀は苦笑した。

すると、今度は瀬戸口がある人を指す。
瀬戸口せとぐち りゅう
東はあの人が気になるんじゃない?
碑賀ひが あずま
言わなくても分かるだろう。
瀬戸口せとぐち りゅう
勿論。どうするの?このXXゲームで会えたこととか奇跡じゃん?
面白い回答を待つように瀬戸口は碑賀がどんな表情なのか見ようと顔を覗き込む。

だが、その碑賀の表情は予想と違ったのか瀬戸口は顔を強ばらせた。
碑賀ひが あずま
──── 死ぬ前にぶっ潰してやる。

























第十一試合、辻林太郎 対 三輪颯。

始まって少しが経つが、試合に進展は見られない。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
ねぇ、これいつまで続くの〜
千島ちしま 瑞樹みずき
俺に聞くなよ。
酒葉さかば みのり
なーんか偉人の能力を持ってる方、辻君が身動き取れないのに何故か躊躇してますよねー
深海ふかみ みぞれ
まるで彼を避けているようです。
楠木くすのき しん
う〜ん…
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
さっきから唸ってばっかで正直、鬱陶しいんだけど。何とかならない?
眉間にシワを寄せた千早が軽く慎を睨む。
睨まれた慎はピタリを唸るのをやめた。

流石、千早だ。
楠木くすのき しん
あ、わ、悪ぃ。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
なんか気付いたことあるなら言って。
楠木くすのき しん
いや、あの辻林太郎?って名前はゲームの前から知っててさ。何で知ってたんだろって考えてた。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
はぁぁぁぁ…別にどうでもいい。そんな情報使えない。少し期待して損した。ったく…
千島ちしま 瑞樹みずき
ち、千早?やめてやれ。慎が死ぬ…
千早の言葉マシンガンを受けて、慎の精神が段々と小さくなっていくのが見える。
つじ 林太郎りんたろう
あー!何で相性悪い人ばっかなのー!
辻君の声が競技場に響く。

身動き一つしない辻君はムッとしていた。

それに対し相手の颯君は警戒している。
つじ 林太郎りんたろう
さっさと勝つんなら勝ってよ〜この体勢辛いんだけど。
それとも〜…と呟くと辻君は口元を三日月のようにして不気味な笑みを浮かべた。
つじ 林太郎りんたろう
────── 僕を恐れているの?
三輪みわ かける
……。
三輪君はじっと見ているだけ。

その目には迷いが見られた。
すっと手を上げると辻君の体が逆さに吹っ飛ぶ。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
おっ!
つじ 林太郎りんたろう
うわっ!!
一霖がフィールドの変化に声を上げた。
つじ 林太郎りんたろう
おぉ〜?…………よっと!
場外に吹っ飛ぶ!…と思った刹那、急に辻君の体が停止する。


え、飛んでたのに何で……
くれ 葉月はづき
わぁ!指が刺さってる!
千島ちしま 瑞樹みずき
ほんとだ…
よく見ると、フィールドに指が突き刺さってそのおかげで飛ぶ勢いが止まったんだ。

納得したところで辻君が楽しそうに笑う。
つじ 林太郎りんたろう
さっきの分をどーん!……ってね?
フィールドに手を付くと、さっきの呉さん並みの速さで三輪君に突っ込んで行った。
三輪みわ かける
っ!?
つじ 林太郎りんたろう
あっ!
ドゴォォン!!!!!!

大きな音が鳴り、咄嗟の判断か三輪君が能力を発動させ、辻君が今度こそフィールド外の壁に思いっきりぶつけられた。

辻君にぶつかられた三輪君はその勢いでフィールド外に出る。
音羽おとは 捺袮なつね
はぁ……時間かけて両者相打ち…。
音羽おとは 捺袮なつね
第十一試合、終わり。さっさと次の人達準備して。
呆れた声を出した捺袮が壁に思いっきりぶつかった辻君の回収に向かう。

壁近くに倒れている辻君は……
楠木くすのき しん
……笑ってんな…すげぇよ、あいつ。
酒葉さかば みのり
凄い通り越してもう恐怖ですよ〜…
『さっきの分をどーん!……ってね?』


運動部とは言え、俺の力だけじゃあそこまで人をぶっ飛ばすのは無理なはず。

となれば?俺以外からも力を吸収していた?

それとも………あいつ自身の力か?
ユリ
な〜つ〜ね〜〜!!!!!!!
突然の大声。

みんながさっきから静かだったユリに注目する。
音羽おとは 捺袮なつね
うっさい、馬鹿。何。
ユリ
あのさぁ…
その時、俺はこのゲームが始まって初めてユリの笑顔以外の表情を見た。

不満そうな嫌そうなそんな表情。


ユリ、何を言うつも ──────
ユリ
ポップコーン切れたから用意して〜!
音羽おとは 捺袮なつね
黙って見といて、馬鹿。
千島ちしま 瑞樹みずき
…………やっぱ馬鹿か…。