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第10話

XXの開花 Ⅲ
福冨ふくとみ 一霖いちりん
ねぇねぇ、ユリちゃん?
ユリ
何〜?
福冨ふくとみ 一霖いちりん
あのヒントは嘘無し?
ユリ
勿論!そこはちゃんとしてるよ!
福冨ふくとみ 一霖いちりん
良かったぁ…
ユリ
あ、これからの人もそうだけどさっきの予選みたいにー、くどい事はしないからヒントから予想してねー!
一霖が聞いたことに答えると、ユリはみんなにも聞こえるように大きめの声で改めて言う。
ユリ
優しい私から能力を知る為のヒントをあげるなら、捺袮的にレアは偉人の名前をヒントに出すかな?理科出来ない人は乙だねっ!
ユリ
普通の人はまぁ頑張れしか言えない!
ユリが豆知識を呟くように何気に大事な事をどんどん言うと、今度は何事も無かったように試合を見ながらポップコーンを食べ始めた。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
要は常識と想像力のない馬鹿は分からないまま死ぬだけでしょ…
千早がユリの言ったことを要約して独り言として呟くが、内容があまりにもぶった切っている。
千島ちしま 瑞樹みずき
…まぁ、どうにかなるよな?
福冨ふくとみ 一霖いちりん
当たり前じゃん!こんなところで死ぬ訳にはいかないもん。
一霖の返事を聞いて、俺はコートに視線を移す。

試合は何も動いていなかった。
能力を考えることに必死なのか2人とも悩む素振りを見せるだけ。
酒葉さかば みのり
あの〜…何だと思います?私の能力。部活、園芸部で植物関連なのは何となく予想出来るんですけど…
なんと酒葉さんは対戦相手である草鹿君に近付き、自分の能力について聞いた。
くれ 葉月はづき
え、敵に相談しに行くの!?
楠木くすのき しん
いや、相手がそんなの聞くわけ…
草鹿くさか 春日はるひ
園芸部とかだったら、何か植物を操るみたいなのは?僕は多分千里眼とかだろうけど、戦闘向きではね…
くれ 葉月はづき
普通に答えて……
ユリ
あははははっ!!!
楽しいのか大笑いするユリ。
普通にコートの真ん中で相談している2人はどう見ても戦う雰囲気ではなかった。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
……これ、試合感ないね。
千島ちしま 瑞樹みずき
ないな…
真ん中で話し合っているとふいに酒葉さんが草鹿君の言葉に頷く。

そして酒葉さんが手を地面に向けると、何もなかった地面から丈夫そうなツタが物凄いスピードで伸びて自由自在に動き回っていた。
酒葉さかば みのり
わぁ!出来ました!
草鹿くさか 春日はるひ
やっぱ、植物を操る能力みたいだね。
酒葉さかば みのり
先輩の能力もまだ多分としか言えませんが、千里眼だと思いますよ!
草鹿くさか 春日はるひ
そうかな?
酒葉さかば みのり
はい!教えてくれてありがとうございました!捺袮君、私の"降参"で!
音羽おとは 捺袮なつね
え…まぁ、あんたが言うなら…第一試合、酒葉実の降参により草鹿春日の勝利とする。
いきなりの降参宣言に審判の捺袮が驚く。
驚くのは俺達もだった。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
何、あの子。馬鹿なの?
千島ちしま 瑞樹みずき
口が悪いぞ、千早。
深海ふかみ みぞれ
相手に教えてもらった恩を返そうと思ったのでしょうか…不思議です。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
死に近付いただけじゃん。
くれ 葉月はづき
まぁまぁ、まだチャンスはあるんだから大丈夫だよ!
ユリ
ほーらー!次の人!コートへGO!!
前の座席に足を乗せるユリがこっちを見るなり、コートを何回も指して急かしてくる。


次は誰だ?てか、ユリ達も誰と誰が戦うのかまでは知らないのか…


そんなことを思っていると、はいはい…と言いながら四月一日君が立ち上がった。
四月一日わたぬき 柊也とうや
僕は酒葉さんみたいに敵に甘くするつもりは無いです。
楠木くすのき しん
おぉ、何か頼もしい。
四月一日わたぬき 柊也とうや
ヒントをさっさと解いて敵を叩きのめすまで、ですよ。
そう言って、四月一日君は怖がったり怯える様子も無く、コートへと向かった。

その四月一日君とすれ違って、酒葉さんと草鹿君が戻って来る。
酒葉さかば みのり
いやぁ、あの草鹿先輩いい方ですね!凄い優しい方でした!
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
あんたねぇ………
呆れた千早が酒葉さんに向かって何か言おうとしていたが、諦めたのか溜息を1回ついただけだった。

一方、対戦相手であった草鹿君の方では…
代々木よよぎ あかつき
お疲れ。
草鹿くさか 春日はるひ
ありがとうございます、って言っても僕は何もしてないんですけどね…
草鹿くさか 春日はるひ
あれ?成瀬さん、そのぬいぐるみどうしたの?
代々木先輩に少し苦笑して返すと、草鹿君の視線は成瀬さんの持つぬいぐるみに移す。

確かにさっきまで成瀬さんはぬいぐるみなんて持っていなかった。意外と大きいし…
成瀬なるせ 冴羅さら
可愛いですよね〜!もふもふしてて気持ちいいんですよ〜!ドラゴンがモチーフになってるんです!
千島ちしま 瑞樹みずき
意外とマニアック…
福冨ふくとみ 一霖いちりん
何が?
千島ちしま 瑞樹みずき
ほら、あのぬいぐるみ。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
わっ!あれもしかしてドラゴン?あんなぬいぐるみあるんだ〜…
成瀬なるせ 冴羅さら
折角なんで暁君にプレゼント〜!
代々木よよぎ あかつき
は?凄い要らない。
成瀬なるせ 冴羅さら
遠慮なさらず〜!
代々木よよぎ あかつき
ちょっ、馬鹿!やめろ!!
座席の上に乗ると、成瀬さんはドラゴンの尻尾を代々木先輩の腰のベルトに結び付けていた。

ここまで来ると、優しさの押し売りだ。
代々木よよぎ あかつき
分かった分かった!もらうから!受け取るから腰に結び付けんな!
その言葉にニッと笑った成瀬さんは結んでいたのを解き、代々木先輩に渡す。

代々木先輩は諦めたような疲れたような顔をしてドラゴンをだっこしていた。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
大変な後輩ちゃんだね…
千島ちしま 瑞樹みずき
俺だったら手に負えない…
福冨ふくとみ 一霖いちりん
…でも、僕らの後輩君は安心でしょ。四月一日君なら。
一霖が騒ぐ成瀬さん達からコートを見る。
俺もつられて、コートを見ると試合が始まろうとしているところだった。
音羽おとは 捺袮なつね
次のヒント…四月一日柊也は色。
音羽おとは 捺袮なつね
田中秀幸は…まぁ、動く。
捺袮が悩み出したヒントは"色"と"動く"。
両方何とも言えない感じがする。

四月一日君はあの"色"という短い言葉だけで能力まで辿り着けるといいけど…
音羽おとは 捺袮なつね
第二試合、四月一日柊也 対 田中秀幸。
…………試合開始。