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第20話

XXの開花 ⅩⅩⅢ
ユリ
…あ、捺袮いないね。
しょうがないなぁ…と笑いながらユリが席から立つとフィールド中央に立つ。
ユリ
次は冴羅ちゃんと〜?早くしてよ〜
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
不運アンラッキー、早く行きなよ。
千島ちしま 瑞樹みずき
言い方…
と言い返すも動かないと死ぬ可能性があるのも事実だから俺は少し駆け足でフィールドに向かう。
成瀬なるせ 冴羅さら
ねー、ユリちゃん?
ユリ
はいはーい!何でしょうか!
成瀬なるせ 冴羅さら
さっきの楠木先輩、でしたっけ?あれってどうなるんですか?あのままじゃ死んじゃいますよ!
その点については俺も気になる。

すると、自然に睨んでいたのかユリが俺と目が合うなり…笑った。
ユリ
そこはこの天才なユリ様とその助手である捺袮にお任せあれ!脱落しない限りは死なせないから。
胸を張り、自慢げにユリが言う。

ちゃんとした答えにはなっていなかったが、成瀬さんは納得したように見えた。


変なことしたらコイツまじで ─────
ユリ
──── 殺したい、って今の瑞樹君思ってるでしょ?
千島ちしま 瑞樹みずき
は?
図星。

本当にたった今、そう思ったところだった。


こいつ、心読めんのか?
…いや、テレパシーがあるわけじゃないし……
ユリ
何で分かった?って顔してるね〜!そりゃ、分かるに決まってるじゃん!
理由を言うと思いきやユリはだって〜、と笑って誤魔化した。
千島ちしま 瑞樹みずき
……早く試合を始めろ。
ユリ
はいはい、冴羅ちゃんも準備おけ?
成瀬なるせ 冴羅さら
勿論!
ユリ
第十四試合、千島瑞樹 対 成瀬冴羅。
ユリが始め、と腕を振り下ろす。

始まった瞬間、俺はすぐに数歩引いた。
千島ちしま 瑞樹みずき
……。
成瀬さんはピカソだってことは分かるけど…


成瀬さん対策は結局見つからなかった。

で、偉人の力に俺の力が使えるのかも不明。

つまり…本当に何も考えずにここに来た。
成瀬なるせ 冴羅さら
さっきは暁君だったから使うのやめたけど、違うなら容赦はしないです!
持っていたスケッチブックを捲り、あるページを俺に向かって見せてきた。

遠目で見にくいが描いてあったのは……
千島ちしま 瑞樹みずき
……氷山?
成瀬なるせ 冴羅さら
正解です!そ〜れっ!!!
成瀬さんがそう言った瞬間、視界が白くなり、ひんやりとした何かを感じる。
千島ちしま 瑞樹みずき
うわっ!!
咄嗟にしゃがみ回避すると、後方で氷が盛大に割れる音が鳴り響いた。

嘘だろ、と思い改めて成瀬さんを見るとスケッチブックに持っていた鉛筆でまた何かを描いている。
成瀬なるせ 冴羅さら
私の能力はですね〜多分、描いた物の具現化です!
成瀬なるせ 冴羅さら
…あ!次は〜…
そう呟いてからたったの約10秒。

成瀬さんの目の前には大砲が現れていた。
いやいやいや、待てって…これは流石に……
千島ちしま 瑞樹みずき
おい、ユリ!降参だ!
ユリ
え、早〜い。まっ別にいいか。瑞樹君の降参で冴羅ちゃんの勝ち!
ユリ
冴羅ちゃんはそれ消しといてねー
成瀬なるせ 冴羅さら
はーい!
千島ちしま 瑞樹みずき
ちょっと待て。
消しゴムを手にして席に戻ろうと階段を上がって行く成瀬さんが立ち止まり、俺を見る。

俺は成瀬さんに近付くと、彼女が持っていたスケッチブックを覗き込んだ。
成瀬なるせ 冴羅さら
見ます?
千島ちしま 瑞樹みずき
ああ…
気軽にスケッチブックを貸してくれ、俺はペラペラとページを捲る。


何だこれ、めっちゃくちゃ上手い…


それが第一印象。
さっきの戦いで見た氷山、大砲、そしてあのドラゴンのぬいぐるみ。

スケッチブックに全く同じ物が描かれている。
代々木よよぎ あかつき
千島、だっけ?分かっただろ、俺が速攻降参した意味。
席からスケッチブックを見ていた俺を見ていた代々木先輩が同情するように苦笑する。
代々木よよぎ あかつき
鉛筆一本、短時間でその画力。
冴羅の美術に関する才能は俺の知る誰よりも凄ぇよ。
酒葉さかば みのり
冴羅ちゃん、美術部?
成瀬なるせ 冴羅さら
うん!他の部員さん全然来てくれないから私いつも一人で描いてるんだ〜
酒葉さかば みのり
何か賞獲ったりするの?
成瀬なるせ 冴羅さら
いつも最優秀賞に特別賞!あと諸々!
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
不運アンラッキー
酒葉さんの質問の答えに千早は横目で俺を見ながらそれだけを言った。
確かにこれだけの画力があるなら人を殺すのも守るのも自由自在だな…
成瀬なるせ 冴羅さら
千島先輩!そろそろいいですか?ちゃんと消さないと!
千島ちしま 瑞樹みずき
ありがとう。
スケッチブックを返すと、成瀬さんは新品の消しゴムで描いた氷山と大砲を消す。

すると、フィールドで粉砕した氷山と大きな大砲は一瞬にして消えた。
成瀬なるせ 冴羅さら
これで良しっ!
草鹿くさか 春日はるひ
能力、めっちゃ強力じゃん!
成瀬なるせ 冴羅さら
ありがとうございます〜!
2人の元に早足で成瀬さんは向かい、俺は少し重い足取りでみんなのところに戻る。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
瑞樹、とんだ災難だったねぇ。
くれ 葉月はづき
お疲れ様〜!!!
千島ちしま 瑞樹みずき
ありがと…てか、ただ避けて降参しただけなんだけど…
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
一勝一敗なら問題ないんじゃない?終わったことを気にしても意味無いよ。
ストレートな言葉が思いっきり俺に刺さる。

言葉が刺さろうとも、試合に負けようとも俺が考えるのはただ一つ。


無事に生きて帰りたい、ただそれだけだった。