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第52話

XXの時間 Ⅱ
映画館から景色が変わり、次に俺達がいたのは特に何の変哲のない教室だった。
教室には机が置かれていて、シャーペンと消しゴムが綺麗に並ぶ。

ユリが適当に座って座ってー、教卓に向かいながら言い、その指示に従って各々が椅子に座る。
一霖、龍の間の席を選んだ俺は椅子を引いたところで顔を上げた。
千島ちしま 瑞樹みずき
へっ?
前を見ると同時に口から拍子抜けた声が漏れる。

今さっきのゲームまで私服を着ていた2人は制服姿に変わっていた。
別に制服を着たくらいじゃ、そんな驚かない。
着ている制服の学校に驚かされたのだ。
瀬戸口せとぐち りゅう
あれ?捺祢君の制服、瑞樹達と同じ?
千島ちしま 瑞樹みずき
同じ…だよな…?
何で俺達と同じ制服を着ているのか、と考えていると隣からえ?と不思議そうな声がした。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
解毒で歩いてた時に千早ちゃんとその話したじゃん。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
はぁ、記憶力悪いことで……呆れる。
千島ちしま 瑞樹みずき
うっ…
福冨ふくとみ 一霖いちりん
ほら、同じクラスで不登校の“音羽君”。
“音羽君”と言われ、俺はやっと会話を思い出した。

そうだ、アイツ、学校に一度も来ない“音羽君”か…
てか、来ないなら何で入学したんだろう…
瀬戸口せとぐち りゅう
篠北高校で瑞樹達のクラスなんだ?ユリちゃんは何処なの?
ユリ
この天才ユリちゃんはなんちゃって制服でーす!なんて言ったって、中卒だし?小学校の卒業式は行ってないし?中学校に至っては入学式も卒業式も行ったことないし?
千島ちしま 瑞樹みずき
小中不登校からの中卒は将来が…
ユリ
あーあー!いいの!人の将来なんかより自分の目の前を心配した方がいいんじゃない?将来、ニートならまだ生きてるだけマシだよ。目の前は一発で将来ごと消し飛ぶんだから。
つじ 林太郎りんたろう
テストって簡単?難しい?
ユリ
そりゃ、捺祢に監視されながら作ったんだから簡単に決まっ ─────
音羽おとは 捺袮なつね
正直、問題文を読むだけで疲れる問題。でも、高一の人でも考えたら何とか解ける内容にはさせた。俺、教科書でしか各学年が習う範囲見ていないからあまり言えないけど…まぁ応用の応用みたいな感じの問題。基本が出来ている奴なら高一でも頑張れば解ける。
つじ 林太郎りんたろう
……難しいってことでいい?
音羽おとは 捺袮なつね
人それぞれだな。
ユリ
すっごい簡単!1分もあれば解ける!
音羽おとは 捺袮なつね
じゃ、配るぞ。
ユリの言葉を全て流した捺祢がプリントを一人一人の机の上に置いていく。
不満そうに頬を膨らましたユリはあ、と呟くと教卓の中から一枚の紙を内容が見えないように裏返して俺達に見せた。
ユリ
ちなみに模範解答の紙はこれだよ〜!裏返してここの教卓の上に置くから、チャレンジしたい人はご自由にどーぞ!
死んでもしらないけどね、という意味を込めたような意地悪な笑みを浮かべると、ユリは教卓に紙を置いて椅子に座る。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
テストねぇ…無理な気しかしないんだよなぁ…
千島ちしま 瑞樹みずき
安心しろ、俺も自信全くない。
瀬戸口せとぐち りゅう
意思疎通ならささっと誰かの思考盗めば一瞬じゃね?それならカンニングにもなってないし。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
あっ!その手があった!龍君、頭いい!
瀬戸口せとぐち りゅう
人に助言したところで俺の能力もカンニングもクソもないやつで終わりかけてるのが現実な。
千島ちしま 瑞樹みずき
誰かの能力解除して何になるってんだ…
瀬戸口せとぐち りゅう
傷を治すとかもっと必要性皆無。
音羽おとは 捺袮なつね
お前ら、うるさい。黙れ。
千島ちしま 瑞樹みずき
痛っ!
瀬戸口せとぐち りゅう
さーせんっしたー…
配っていたプリントを丸めて頭を叩いたのか捺祢は俺達を見て、溜息を吐きながらプリントの形を戻して裏返しで机に置き、前へと戻って行く。


何で一番声が大きかった一霖は叩かれないんだよ…


そんなことを思い、一霖を見る。
俺の視線を感じた一霖は目が合うなり、笑って口元をどんまいです、と動かしピースをしてきた。
こいつめ……
ユリ
みんなにプリント届いたかなー?それでは、テスト開始まで5、4、3、2、1…
カウントダウンの数字と共にユリが指を折っていき、立てている指が無くなったと同時に教室にチャイムが鳴り響いた。
ユリ
はい!カンニングゲーム開始でーす!