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第38話

XXの真偽 ⅩⅩⅧ
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
普通にやりたくないんだけど。
わざとらしく欠伸をしてみる。
未来を見てたとしても未来のあたしは完全にやる気がないように見える。

でも、外はそうでも中は違う。

ここで戦うべきか。
勝利の為に今は一旦引くべきか。
……代々木先輩と四月一日は何をするのか。
碑賀ひが あずま
簡単に弱音を吐くんだな。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
弱音じゃない、ただやりたくないだけ。
代々木先輩はぬいぐるみがないと攻撃出来ない。
持っているのは成瀬が描いた日を吐くドラゴンだけ。
四月一日はあたしや深海さんと相性が悪い。
色を変えたところで周りを燃やしたり凍らせたら動けなくなる。つまり、今回はサポート。

こいつ碑賀をサポートすることはないだろう。
するなら、代々木先輩。

代々木先輩のサポートをするとしたら使うぬいぐるみの調達、ぬいぐるみの色を変えて奇襲…だね。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
あー、成程…あんたが足止めをしてる間に四月一日が成瀬のようにデパートから代々木先輩の武器となるぬいぐるみ盗み、深海さんが来たところで叩き潰す…効率がいいことで。
碑賀ひが あずま
あいつら、そんなことを考えてたのか?
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
知るわけないでしょ。あんたらと同じチームじゃないんだから。ほら、かかって来なよ。
1歩引き、あたしは碑賀を挑発する。
挑発だと分かった上で碑賀は拳を振り上げた。
そして……微かに驚きを見せる。

その表情にあたしは少しだけ笑う。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
どんな未来が見えた?
そう言った刹那、お腹に碑賀の拳がめり込む。
でも、あたしは踏ん張って倒れなかった。
痛みの呻き声を飲み込み、歯を食いしばり、碑賀の手首を掴んで足を踏むと、流れに任せて膝蹴りを碑賀のお腹に決めようとする。
碑賀ひが あずま
無駄だ。
あたしが掴んでいない方の手でお腹をガード。膝を受け止められて、あたしの攻撃は通らない。
知ってる、やる前から分かっている。
こんなことをしたのは“碑賀の両手を塞ぐ”ため。
碑賀ひが あずま
なっ…
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
良い未来見てろ。
ニヤリと笑い、あたしは手首を掴んでいない方の手を碑賀の肩に押し当てて一点に集中させたことで出来た光のビームを放つ。
光は肩を突き抜けて遥か空へ。

想定外の未来に碑賀は飛びのけた。
肩からは煙が出ていて、腕へと伝った血が屋上の地面へと吸い込まれる。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
お腹痛っ…
碑賀ひが あずま
…おい、今の攻撃は何だ?とてもお前の能力である火に見えない。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
太陽は肉眼じゃ白く見える。でも、実際の表面は超高熱の炎。温度を上げて一点に集中させれば出来る。まぁ…あたしの手にもかなりのダメージ食らうけど。
碑賀の肩のようにあたしの手から煙が上がっている。
死ねば、リセットされる。ゲームなんだから。

コンティニュー出来る限り、別に命を大切にする必要は無いと思う。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
あんたが今みたいに攻撃する度、あたしはその攻撃を正面から受けてカウンターを仕掛ける。いくら未来が見えようとも近距離戦しか出来ないあんたはカウンターを食らうしかない。
碑賀ひが あずま
俺が攻撃しなかったら?
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
ぬいぐるみは可燃物、あんたが強かろうとも所詮はタンパク質の人間。深海さんを除いた全てを焼き尽くす。
深海さんがここに辿り着く前に潰されたのなら、さらに躊躇はしない。

成瀬のようにここら一帯を焼け野原にする。
今の超高熱で煙が出るくらいならあたし自身も殺すような火力にすればそれくらい可能だ。

死ぬ寸前でやめれば勝てるかもしれない。
死んだら死んだで引き分け。
それより前にあたしと深海さんがダウンして活躍がないと見られた場合は…申し訳ないけど、東堂と深海さんを殺す。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
タイムリミットまであと5分強。
碑賀ひが あずま
予知関係無しか…
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
そういうこと。あんたが倒れるのが先かあたしが倒れるのが先か。
もう一度構えを取った碑賀を見てあたしも構える。
感情の高ぶりを感じて、あたしの最大火力が高くなるのも感じた。


今ならあれもいけそう。
碑賀ひが あずま
先に潰してやる。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
やってみな。
強い碑賀の拳を肩に受ける。
だから、あたしは笑って個人戦の時よりも大きな火柱をビルの屋上に立てたのだった。