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第12話

XXの開花 Ⅶ
福冨ふくとみ 一霖いちりん
あっ、そう言えばさ。
千島ちしま 瑞樹みずき
ん?
福冨ふくとみ 一霖いちりん
ユリちゃんと捺袮君って僕達みたいに何か能力あるのかな?
千島ちしま 瑞樹みずき
さぁ?
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
聞けばいいじゃん。あんたの能力ならあいつが答えなくても考えてること読めるんだし。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
あいつの答えによっては……強制的にこのゲームを終わらすことも可能になるんだから。
千早が試合を見ているユリを軽く睨む。
楠木くすのき しん
強制的に終わらす?
四月一日わたぬき 柊也とうや
能力が無ければ彼女を殺す、ってことですよね?
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
そういうこと。能力が無ければあたし達の方が立場が強い。なら、殺すか脅すかで辞めさせるまで。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
じゃあ……ユリちゃん!
ユリ
は〜い!
少し離れた席に座っているユリが呼ばれて試合から一霖に視線を移す。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
ユリちゃん達って僕達みたいに何か能力があったりするの?
ユリ
えっとね〜…………っ…!
答えようとしたところでユリが突然背後から瞬間移動した田中秀幸君に腕で首を締められる。
田中たなか 秀幸ひでゆき
こいつが死ねば後の試合は無しだ!!
千島ちしま 瑞樹みずき
あいつ…
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
考え無しに攻撃とはいい度胸してる。あたしでもやらないのに。
ユリ
もぉ…酷い、な〜…
首を締められているのに笑顔は絶やさず、ずっと抱えているポップコーンを口に運ぶ。
ユリ
私は〜…こんなので死ぬなら〜…
ポップコーンの入れ物の底に手を動かしたユリは不気味に笑った。
ユリ
──── とっくの昔に死んでるよ。
そう言うと、ユリは前の席に置いていた両脚を曲げて、体を引き寄せた。

引き寄せられたことで背中が背もたれを滑り、頭だけが背もたれに当たる。

それにより、秀幸君が座席の後ろから身を乗り出しているような状態になった。
田中たなか 秀幸ひでゆき
は?
ユリがポップコーンの入れ物を横に退けると、その手には拳銃が握られていた。

拳銃を逆手に持ち直すと、銃口を田中君に向ける。

そして…
ユリ
バーン…
パアァァンッ!!!!と響いた発砲音。

田中君はユリから離れて胴を仰け反らすとそのまま後ろの座席にぶつかりながら倒れた。

本人は見えないけど、田中君が消えた通路には段々と赤い液体が広がっていく。
楠木くすのき しん
嘘だろ…あんな簡単に人が……
ユリ
捺袮〜!何か秀幸君死んじゃったからこの人のとこ不戦勝にしといて〜!
音羽おとは 捺袮なつね
え、死んだ?まぁ…分かった。
ユリ
全くこの天才の首を後ろから締めるなんて酷い人〜
赤くなった首を擦りながら拳銃をポケットにしまうと何事も無かったように座り直してポップコーンを食べ始める。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
…結局、あの子達の能力のこと分からなかったね?
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
今のあいつを見る限りじゃ考えもなしに倒そうとするのはまずい、ってことでしょ。
くれ 葉月はづき
平気な顔で人を殺して…
千島ちしま 瑞樹みずき
最低な奴だ。
平気で人を殺した部分を見ると、ユリの笑顔に段々裏があるように見えて不気味さが増した。

本当にあいつが何を考えているのかが分からない。
酒葉さかば みのり
あ、終わりそうです!
深海ふかみ みぞれ
終わる…と言うより、終わらせたいようですね。
ドラゴンが暴れ回ってあちこちから火が出ている。
フィールドの中央で代々木先輩と国木田先輩が言い合いになっているが、その矛先は捺袮へと向いた。
国木田くにきだ 達也たつや
これ、どうにかならないのか?
音羽おとは 捺袮なつね
代々木暁の能力なんだから本人が解除しない限り何とも。避けるの疲れたからそろそろ終わって欲しい。
国木田くにきだ 達也たつや
…だ、そうだ。
代々木よよぎ あかつき
止まれ!とは思ってんだけど…
音羽おとは 捺袮なつね
降参したら早いよ。
代々木よよぎ あかつき
いや、負けは嫌だ。
国木田くにきだ 達也たつや
ここは2人とも降参であのドラゴンの勝ちでいいだろ。
代々木よよぎ あかつき
まぁ、それならまだ…
ドラゴンの炎が再び2人を襲うが、国木田先輩がそれを結界でガードする。
音羽おとは 捺袮なつね
ったく、熱いな……結論は決まった?
代々木よよぎ あかつき
…互いに降参、このままじゃ俺達の身が持たねぇ。
国木田くにきだ 達也たつや
だから、早くあれをどうにかしろ。
音羽おとは 捺袮なつね
ほら、ユリ。さっさとやって。
ユリ
りょ〜かいっ!
ポップコーンを食べてたユリが座席の上に立つと、拳銃をドラゴンへと向ける。すると…
成瀬なるせ 冴羅さら
え〜っ!待って待って!私が暁君に作ったドラゴンちゃん撃つのは可哀想!
持っていた絵描き用のノートに絵を描いていた成瀬さんが立ち上がってユリに訴える。
千島ちしま 瑞樹みずき
簡単に人を殺すんだから、あんなこと言ったところで…
ユリ
う〜ん…確かに冴羅ちゃんの言う通り可愛いし、撃つのはやめよ。
千島ちしま 瑞樹みずき
……。
本能寺ほんのうじ 千早ちはや
変わったみたいだね。
千早に小馬鹿にするように鼻で笑われる。
俺はそれを見なかったことにする。

拳銃を下げたユリがさっきのようにポップコーンの入れ物の底に手をやると、今度は鉄球のついた鎖を持っていた。
四月一日わたぬき 柊也とうや
彼女、さっきから不思議なことしか起きませんね。どう見てもあれに収まる大きさじゃないですよ。
くれ 葉月はづき
手品とか?
楠木くすのき しん
そりゃ、無いだろ。
呉さんの意見に流石にない、と笑う慎。
ユリ
回収頼むよ〜?そ〜れっ!!
ユリが鎖を掴んでぬいぐるみに向かって投げる。

鎖はぬいぐるみの胴に巻き付き、鉄球の重さがあってかドラゴンは床にゆっくりと降下した。
音羽おとは 捺袮なつね
…第三試合、両者の降参により引き分けとする。
捺袮がそう試合結果を告げると、大きな溜息をしながら指を鳴らす。

すると、あちこちに広がっていた火は消えて、燃えて黒くなっていたフィールドは綺麗になっていた。

ユリがまた急かしてくると思ったのか、一霖が周りをキョロキョロを見回す。
福冨ふくとみ 一霖いちりん
次は誰?
くれ 葉月はづき
呉葉月!行きます!!