第280話

‥別れ‥
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2020/04/29 09:10
チュンチュン……





あなた「…………ん」




カーテンの隙間から差し込む光に、目を開けた。



眠い……二度寝したい。



寝返りをうとうとした所で、違和感に気がつく。




あなた「!!?侑、治!?」



両側で、抱きつくように寝ている2人。


シングルベッドだから2人とも窮屈そう。


そういえば……あれ、私昨日の夜……。




『夜はこれからやで』




あれ!?


なんでもう朝なの!?



昨日結局どうなったのぉぉぉ!?



あなた「ちょっ、起きて!!起きろぉ!」



両手をバタバタさせて殴ると、2人ともゆっくりと目を開けた。




侑「なんや……」



治「……おはようさん」



あなた「っじゃなくて!なに、何してるの!?」


治「……何って……?」



眠そうに瞼を擦る。



あなた「昨日…………その、えっと//」



口に出しづらくて躊躇っていると、侑が「嘘やろ……」とため息をついた。



あなた「……え?」



侑「忘れたんか?」




……やっぱり、え、ほんとに……?




絶望的な顔をした私に、2人は起き上がって頭を抱えた。





治「自分が寝るけぇ“途中止め”や」







あなた「と……「途中止め」?」



侑「ほんま……あのまま襲ったったらよかったわ(あんなん可愛過ぎて襲えるわけないやろが……)」



治「止めたって感謝せぇよ(後で現像しにいかんとな……スマホ持っとってよかったわ)」






はぁ……。


何はともあれ、今日で本当に最後だ。


あなた「部活行って良かったのに……」



駅まで送ると言ってくれて、ジャージ姿の2人と家を出た。



優子さんにもお礼を言うと、「またいつでも来ぃや」と言ってくれた。




侑「監督に行け言われたんや……(そうじゃのぉても送るけど)」


治「……着けてくれとるんやな」



早速着けたネックレスを見て、2人とも頬を緩ませる。



侑「ただ気に入らんのんは……その絆創膏やな」


あなた「……あんなんつけて道歩けるわけないでしょうが」




朝顔を洗いに行くと、またもやくっきりと痕がついていて。


絆創膏生活に逆戻りだ。




ぶつぶつ言っている侑を尻目に歩いて、駅に到着。




北「おぉ、来たな」


角名「おはよ」


あなた「!北さん……倫くんも!なんで」




駅で2人が待っていてくれて、出迎えられた。


北「送らせてや。ええやろ?」


言いながら、また私の頭を撫でる北さん。


今さらだけど……撫で方がちょっと菅原先輩に似てるんだよな……だから落ち着くのかな?


角名「今度こっち来る時は、俺の家に泊まってね」


あなた「それは約束しかねるかな……」



電車が来るまで、あと7分。



あなた「そろそろ、行かないと……」



本当はもう少しいられるけど、寂しさが増すだけだから。



侑「……また、会えるやろ?」



昨日の夜の勢いはどうしたんだ、ってぐらいの情けない顔をして言う侑に、思わず笑った。



あなた「うん……そうだね」



正直、絶対会えるという確信もなかったけど……。



あなた「じゃあ……」



立ち去ろうとして、ふと思い付いた。




会えるじゃん。




振り替えると、4人は不思議そうな顔をして首をかしげた。





あなた「春高!!」




その言葉に、ハッと目を見開いた。




あなた「兵庫県代表になってよね!」




侑「……当たり前や!」




そしたら……。




あなた「絶対、東京の体育館で、会おう!」




治「!……牛若、倒してきぃよ」


あなた「うん!」





親指をグッと立てると、ゲートの向こうの皆も同じように返してくれた。
















絶対、春高で会うんだ!

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