第163話

‥嘘?‥
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2023/05/08 16:50
松川「________嘘だよ」





あなた「………………………………え」




嘘??



え、どっち?



嘘だったとして、なんでこんなこと……。



あなた「なんで__」


松川「当ててみてよ」



無茶ぶり過ぎる。


でも、そっか……。


なんだか心が軽くなった。



あなた「分かんないよ……」


そう答えると、松川くんは笑って倒れ混んだままの私を起こしてくれた。





松川「じゃあ正解するまで、俺にご飯作ってね」










あなた「ということで!ヤってませんでしたぁ!!」

綾乃「ちょ、声大きいっ」


ホッとしすぎて教室内だというのに大きな声を出してしまった。

綾乃に止められてハッとする。


……恥ずかし。

綾乃と2人で息を殺して、皆の視線がそれたところで話を戻した。

綾乃はクスッと笑い、ポンポンと肩に手をおいた。


綾乃「よかったねっ」

あなた「うんっありがとう!……でも、その理由が分かんなくて」

綾乃「……分かんないの?」

あなた「え?分かんない。分かるの?」


綾乃は呆れたように頭を振った。


綾乃「あんた、昨日散々だったでしょ?月島くんやクラスの男子にも……」

あなた「??うん、それがどうかしたの?」


意味が分からなくて首をかしげると、大きなため息。



綾乃「これ以上はズルになるし言わないでおくよ」




分からずじまいのまま、この案件は幕を閉じた。


昼休み。


清水「あなたちゃん、今日は5組に行ってみようと思うんだけど……」

あなた「了解です!」


2人で並んで廊下を歩きながら、隣のクラスを覗いた。


清水「日向がくれたメモによると、このクラスでまだ部活入ってない子は……」

あなた「割りと居ますね…………あっ、先輩、私この子気になります!」

清水「……谷地……さん?」

あなた「この間荷物運んでたら手伝ってくれたんです!めっちゃいい子ですよ~」

清水「じゃあ、声かけてみよっか」





谷地𝓈𝒾𝒹𝑒.°




バナナジュース美味しいなぁ……。


「仁花ぁ~呼ばれてるよ~」


谷地「ひゃいっ」


誰だろう……。


後ろの扉を指差されて見てみたら、女の子が2人、こっちを見ていた。

1人は見たことある。

この間一緒に荷物を運んだ子だ……。

確か名前は……。


?「ね、あの子ってあれじゃない?岩泉さん!」

?「ほんとだっ。球技大会大活躍だったよねぇ~」

?「やめてよ私ファンなんだからっ」



ふぁん……?

とにかく有名人のようだ……。


確かにすっごく可愛いし、男女問わず人気が高そう……。


しっかりしてそうだし芯がありそうで、つくづく私とは違うなぁ……。


クラスの子のひそひそ話を聞きながら廊下に出ると、その子は天真爛漫な笑顔で言った。





あなた「ねっ!バレー部入らない??」

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