松川「________嘘だよ」
あなた「………………………………え」
嘘??
え、どっち?
嘘だったとして、なんでこんなこと……。
あなた「なんで__」
松川「当ててみてよ」
無茶ぶり過ぎる。
でも、そっか……。
なんだか心が軽くなった。
あなた「分かんないよ……」
そう答えると、松川くんは笑って倒れ混んだままの私を起こしてくれた。
松川「じゃあ正解するまで、俺にご飯作ってね」
あなた「ということで!ヤってませんでしたぁ!!」
綾乃「ちょ、声大きいっ」
ホッとしすぎて教室内だというのに大きな声を出してしまった。
綾乃に止められてハッとする。
……恥ずかし。
綾乃と2人で息を殺して、皆の視線がそれたところで話を戻した。
綾乃はクスッと笑い、ポンポンと肩に手をおいた。
綾乃「よかったねっ」
あなた「うんっありがとう!……でも、その理由が分かんなくて」
綾乃「……分かんないの?」
あなた「え?分かんない。分かるの?」
綾乃は呆れたように頭を振った。
綾乃「あんた、昨日散々だったでしょ?月島くんやクラスの男子にも……」
あなた「??うん、それがどうかしたの?」
意味が分からなくて首をかしげると、大きなため息。
綾乃「これ以上はズルになるし言わないでおくよ」
分からずじまいのまま、この案件は幕を閉じた。
昼休み。
清水「あなたちゃん、今日は5組に行ってみようと思うんだけど……」
あなた「了解です!」
2人で並んで廊下を歩きながら、隣のクラスを覗いた。
清水「日向がくれたメモによると、このクラスでまだ部活入ってない子は……」
あなた「割りと居ますね…………あっ、先輩、私この子気になります!」
清水「……谷地……さん?」
あなた「この間荷物運んでたら手伝ってくれたんです!めっちゃいい子ですよ~」
清水「じゃあ、声かけてみよっか」
谷地𝓈𝒾𝒹𝑒.°
バナナジュース美味しいなぁ……。
「仁花ぁ~呼ばれてるよ~」
谷地「ひゃいっ」
誰だろう……。
後ろの扉を指差されて見てみたら、女の子が2人、こっちを見ていた。
1人は見たことある。
この間一緒に荷物を運んだ子だ……。
確か名前は……。
?「ね、あの子ってあれじゃない?岩泉さん!」
?「ほんとだっ。球技大会大活躍だったよねぇ~」
?「やめてよ私ファンなんだからっ」
ふぁん……?
とにかく有名人のようだ……。
確かにすっごく可愛いし、男女問わず人気が高そう……。
しっかりしてそうだし芯がありそうで、つくづく私とは違うなぁ……。
クラスの子のひそひそ話を聞きながら廊下に出ると、その子は天真爛漫な笑顔で言った。
あなた「ねっ!バレー部入らない??」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!