第190話

‥ファンクラb ‥
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2020/04/05 12:05
真綾「あなた~っ。先輩来てるよ~」


お昼休みに、委員会の仕事から帰ってくるとすぐに呼ばれた。


教室の前の廊下には軽く人だかりができている。


その中心にいたのは……。


菅原「おっ、あなた~」


……菅原先輩、やっぱり人気者だ。


周りにいた子達からの視線が怖かったけど、案外そうでもなくて皆私を見ると教室に入っていった。


あなた「どうしましたか?……今日の部活?」

菅原「いやいや……こっちゃ来い来い」


優しい笑顔で手招きされて、近寄る。



あなた「っ、!?うぎゃぁぁっ!」


澤村「田中から聞いたぞぉ……?」


菅原先輩の後ろに隠れていた澤村先輩に捕まった。

なにこの人卑怯!


あなた「きっ、聞いたってなにを……!」

澤村「お前……男の喧嘩に乗り込んでいくバカがいるか!」


それかぁぁぁぁ!!


あなた「だ、だってあの時は仕方なくて……っ。私怪我してないし!」

澤村「男の力に敵うわけないでしょうが!今回は無事だったけど次どうなるか分かんねぇんだからな!」

あなた「ぅぅ……すみません」


脱力して謝ると、首に回した腕を緩くして解放してくれた。


菅原「まぁ、やっちゃんに田中を呼んできてもらったのは正解だったべ。よしよしっ」


頭をポンポンっと撫でられて、「……はい」と返事をすると二カっと笑った。


菅原「大地も、あなたが心配なだけだからなぁ~?」

あなた「……ご心配おかけしました」

澤村「分かればいいんだ。これからも、そういう時は誰か……てかもう俺を呼べ」

菅原「大地だったら大体誰の喧嘩でも止めれるしなぁ~」

あなた「……了解ですっ」


それでは、と手を振って別れてから、やっぱり烏野のお父さんお母さん過保護なのかなと少し笑えた。








教室に入って綾乃達の所へ行って弁当を開ける。


綾乃「あなた、めっちゃ愛されてるねぇ~」

真綾「それっ」

あなた「ん、愛されてるっていうか、皆過保護なだけだよ~……それよりさ、なんか最近おかしいんだよね……」


タコさんウインナーを口に運びながら言うと、皆「何が?」と仲良く首を傾げた。


あなた「んぅ……例えば月島くんと教室で話してたり、さっきみたいに菅原先輩達と話してるとさ、前はもっとキツい視線食らってたっていうか……ほら、前の椋樺達みたいに」


そう言うと、斜め前に座っていた椋樺が急に噎せた。


椋樺「ごほっ、ごほっ……悪かったわね」

あなた「や、もう怒ってないよ?でも不思議で」

さくら「あなたさぁ……自分で気づいてないの?」


え?


皆がジトーッと見てくるので思いをはせるけど、なにも思い付かない。



?「あのっ、岩……あなたちゃん!」



「なんのこと?」と質問しようとしたところで、見知らぬ女の子が急に話しかけてきた。


クラスの子じゃない……。


?「あ、あのっ、よかったら連絡先交換してほしくてっ」


おどおどかんが少し仁花ちゃんに似てるなぁ……。


カゲくんのクラスでもあったけど、どうして私の連絡先なんて知りたいんだろう。


流石にこの子に「話してても面白くないから」って断るのも気が引けて、「いいよ」と携帯を出すとホッと顔を緩めた。


?「ありがとう!………やったよ私!勇気だして良かったぁぁ

?「頑張ったじゃん!おめでと~!



何やら話してるけど、なんだろう。

なんかジンクス的なものでもあるのかな?


あなた「……ね?なんか最近こういうことも多くて」

サオリ「あのねぇ……本人が知らないのもなんだから言うけど、あんたファンクラb____むぐっ」

椋樺「いいの!知ってもあなたが困るだけだし……

あなた「??なぁに?」

さくら「気にしない気にしない!……あっ、ほら、もう1人お客さん来てるみたいだよ~」


あなた「??」


さくらが扉の方を指差すので振り替えると同時に、背中に投げ掛けられる声。





?「あなたっ、ちょっと話せるか?」

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