第189話

‥取っ組み合いの喧嘩‥
44,782
2020/04/05 09:32
あなた「仁花ちゃん!どうしたの!?」


ぶつかったのは涙目の仁花ちゃん。

震えながら、私の両腕をガシッと掴んだ。


谷地「ひなっ、日向と影山くんが……!喧嘩……っ、死ぬぅ!!」

あなた「死なないから!どこ?部室!??」


落ち着かせようとするけど仁花ちゃんの震えが止まらない。

相当ひどい喧嘩してるのか?


谷地「た、体育館っ!」

あなた「分かった、私行くから仁花ちゃんは誰か先輩呼んできて!!……できるね?」

谷地「っ、……うん!」


仁花ちゃんが来た方向に走り出す。

体育館に近寄ると、日向の叫び声が聞こえてきた。


日向「今日もっ、青城戦も!」

影山「てめぇっ、俺のトスが悪かったって言いたいのか!!」

日向「違うっ!____俺が、今のままじゃもう上には通用しないんだ!!」


田中「お前r______」

あなた「あんたら1回落ち着けぇっ!!」


バゴッ!!


影山&日向「ごふっ」


取っ組み合いをしていた2人のみぞおちに両拳を押し当てると、蹲って喧嘩は止まった。


あなた「別んとこでやれ!仁花ちゃんに迷惑かけんなこのド阿呆が!!」


全く、泣いてたんだぞ!?


こんな身体能力の塊同士の喧嘩見るの怖かっただろうに……!!


田中「…………あなたって大地さんより恐ろしいんじゃ




あなた「はい!謝る!!」

日向「ごめん谷地さん!!」

影山「さぁせん……

谷地「わっ、いいよいいよ!私はなんでもないよ……」

あなた「あんた謝る気ないでしょ。頭下げろほらっ」


無駄に高いなこいつの頭!

日向はちゃんと頭を下げたけど、カゲくんは案の定目線をそらして口先だけ。

頭に手を伸ばして無理矢理押し下げると、再度「さぁせんした」と謝ったのでよしとした。


あなた「日向はちゃんと仁花ちゃん送ってくこと!今日のところは解散っ!!」








あなた「で、何があったの?速攻のこと?」


帰路。

仏頂面のカゲ君を横目で見ながら尋ねると、コクりと頷いた。


影山「あの速攻に、アイツの意思は必要ねぇ」

あなた「……それはカゲくんの持論でしょ」



影山「…………」


町内掲示板の前で立ち止まり、なにか掲示物を見ているカゲくんを待つ。


あなた「どうかした?」

影山「……いや。なんでもねぇ」



とりあえず、カゲくんに私から言えることなんて限られてるしなあ……。


きっとこの2人なら、大丈夫、かな。

プリ小説オーディオドラマ