第464話

番外編:閉じ込めてみました☆☆☆
30,277
2023/05/10 08:14
?「おい……おい、起きろ。ほら」




あなた「ん…………?」





肩を揺さぶられて、目を開けると。






あなた「______〜っ、!!?」






至近距離で意地悪く笑っていたのは、伊達の鉄壁の1枚だった。





二口「やっと起きた。……まだ寝ぼけてる?」





スッと伸びてきた手の甲が、私の頬をつぅと撫でる。


その感触で、これが夢じゃないんだと確信した。





あなた「なんで、堅治が……?」


二口「知らねぇよ。こっちの台詞___っと、あんま動くな。立てねぇから」






……?


言われて辺りを見渡すと、すぐ側に壁。


足元もすぐ近くに壁があって、小さな箱に2人だけ押し込まれたような体勢になっていた。





あなた「なにこれっ……!で、出る!!」


二口「あぁもう、だから動くなって!んな簡単に出れるんならとっくに出てるわ!」





体をよじって脱出を試みるけど、一層密着度が増していく。



どうすりゃいいのさ……!!




とりあえず向かい合ってるのは嫌だし背を向けてから、目の前の壁をゴツゴツと叩いてみた。





あなた「……普通に板じゃん。壊せば出れそう」


二口「お前、こんな狭い中で壊れると思ってんの?」


あなた「やってみなきゃ分かんないでしょ!こうやって……」


二口「ちょっ、マジで頼むから動くなっての!!」





膝を引くと堅治の脇腹に当たったらしく、背後でピクッと体が震えた。


だってこのまま閉じ込められてるなんて……。





……ん?閉じ込められ……??




______なんか、デジャヴ??



二口「…………」


あなた「………………」


二口「………………………スンッ」


あなた「っ!!!?///ちょ、何やっt、」





首元に吐息がかかり、後ろに手を回して殴った。






二口「痛ぅ、ちょっと匂っただけだろっ」


あなた「はぁ!?何その逆ギレ意味分かんない!」


二口「分かった、悪かったからそれ以上動くな!」


あなた「さっきからそればっかり!あれでしょ、どうせそっちまだスペースあるけど無理やりこっちきてるとかでしょ!ほんと意地悪!」


二口「は!?違っ、ちょ……/寄るな、って、///」





腰を下げて向こうに押し戻そうとすると、背中に堅治の片手の感触。


抵抗しているってことは、やっぱり向こうにスペースがあるんだ。



無理やり押し下げていると、ゴツンッ と鈍い音がした。




二口「痛ぅ"……、」


あなた「え……あ、ほんとに後ろ壁なの?」


二口「だからそう言って______、〜っ、!」





もぞっ と足を動かす堅治。


途端、太ももの付け根辺りに"何か"の感触が伝わってきた。




あなた「ね……、なんか当た_____、」


二口「……っ、だから動くなっつった、だろ//」





少し苦しそうな息遣いと、湿っぽい吐息が首元にかかった。





あなた「え……?何が?」


二口「……知らねぇ方が身のため、だ。俺だってなりたくてなってる訳じゃねぇ、から//」


あなた「……?………、〜っ、!?//ぅえ、やっ、」







堅治の意図と、今の状況を察して途端恥ずかしくなった。


全身が熱くなって、意識した瞬間当たっているところに熱が集中する。







二口「っ……動くな」


あなた「でっ、でも……!」


二口「…………」





とりあえず足を伸ばして、堅治の"それ"からなんとか身を離した。


だけどずっと、首元では苦しそうな息遣い。




もう……どうすればいいのこれ……。





あなた「とりあえず、ここから出ないと______、〜っ、!?//」






壁に手を当てがった瞬間、再度硬い感触が伝わった。


さっきよりも内側に、より密着して……。





あなた「け、堅治……っ、ねぇ今、」


二口「…………わざとだよ」


あなた「ぅえ……!?ん"、や……」





身体全体が、よりこっち側に寄ってきてピタリとくっつく。


当てられている所が強張って、震える。






二口「お前……動っ、くな、」

 

あなた「〜ゃ、ちょ……」







なんで押し付けて……!!?



どんどん息が荒くなってきているし、動きながら押しつけられて身が強張った。






あなた「け、んじ……、」


二口「……動いたお前が悪い、」


あなた「意味分かんない……からっ!」






コンコンコンッ





……?





コンコンッ






外から、壁をノックされた。


さすがの堅治も驚いたようで動くのをやめたので、外の音に集中した。





?〈ごめんごめんっ。いや〜色々大変でさ、ちょっと来るのおそくなっちゃった。〉




電子系の媒体を通したような、女の子の声。


……どこかで聞いた方あるような。





?〈あなたちゃんは大体察し付いてるかな?そう!双葉🌱🖇で〜す!〉




……やっぱり。




二口「……誰だよ」


あなた「私も分かんない……」


双葉🌱🖇〈今回もミッションあるからね!クリアしたらその箱から出してあげよう!〉





箱……だったんだ。





双葉🌱🖇〈いや〜、実は私生徒会入ってるんだけどこれがなかなか大変でねっ。仕事増やされると「なんやねん」ってなるしもうその人詰めようと思って運んできた箱やっぱり使うのやめちゃってさ〜。何に使おうかなって考えたら丁度いい2人が見つかって!〉





……なんの話をしてるの?この人。






双葉🌱🖇〈さっきまた仕事の連絡入って書類作ってたからさぁ。2人共起きてるのに気づかなくて。なぁんかギシギシいってるなぁって思ってやっと気がついたよ〜〉




ギシギシ……。





双葉🌱🖇〈え、大丈夫だよね?未遂だよ、ね??〉


あなた「当たり前でしょ!ていうか早く出して!」






煽るような言い方に苛立ちを覚えながら言い返すと、〈よかった〜!〉と手を叩く音が聞こえてきた。





双葉🌱🖇〈この作品「🔞」付けたくないんだよね〜。危なかった!セーフ!(だよね?)〉


二口「箱の中なら見えないし、最後までやってもいいんスけど」


あなた「よくないわアホ!」


双葉🌱🖇〈ハハ、仲良いねぇ2人っ。じゃあ最初のミッションだよ!早くクリアして、学校遅刻しないようにね〜〉




……学校?





双葉🌱🖇〈じゃじゃん!!『どちらかの頸に噛みつきましょう』!レディーゴー!〉




……うなじ、って。 



あなた「〜っ堅治やらなくていいから!今口開けたでしょ!?」


堅治「あぁ……?こっから出れるんだろ?いいじゃん。俺もう限界だし」






いやいやいや……これ、出たらもっとピンチになる予感するんだけど……!?


ただ、私が堅治に背を向けるような寝転び方をしているので対抗のしようもない。






二口「______大丈夫。痛くしねぇから」


あなた「そういう問題じゃ___っ、んぅっ、!//」



カリッ……



細い痛みが首にはしって、体がビクッと跳ねた。



次の瞬間、周りを囲んでいた壁がすぅっと消えていき。





あなた「…………えぇ?」






私たちは、烏野高校排球部の体育館にぽつんと身を投げ出された。






二口「……なんで体育館?」


あなた「知らない……けど、良かった」





やっと解放され体育館ことに安心し、扉にてをかけた。




ガチャッ



……、



ガチャガチャッ、





あなた「……ですよねぇ、」





そう簡単にあの悪魔が開放してくれる訳ないか……。






二口「おいさっきの奴、どっかで見てんの?ベッドは?俺ヤる気満々だったのに体育館とか萎えるわ〜」


あなた「バカ言わないで!」


双葉🌱🖇〈アハハッ、キミのそういう一周回って清々しいとこ嫌いじゃないよ!ということで最終ミッションはぁぁぁぁ!〉




あ、もう発表なの?




双葉🌱🖇〈『お互いの"好きな所"を伝える』!!〉




あなた「……そもそも好きじゃないんですけど」




二口「普通に傷付くわオラ」







いやいや……今のいままであんなことしててよく言えるよ。







双葉🌱🖇〈ん〜、それでも1つくらいあるでしょ?何も恋愛対象としてじゃなくていいし!あ、ちゃんと"証明"しながら言うこと!!それじゃあ良いミッションを!〉



あなた「ちょっと!!」





……また変なミッションを。






二口「「証明」ってなんだ?」


あなた「知らない……適当に済ませよう?」






ここが本当に烏野の体育館なら、もし人が来たらやばすぎる。



とりあえず頭を回転させて堅治のいい所を絞り出す。





顔______は、ムカつくし。



優し______く、ないし。



真面目______とは程遠いし。



爽やか______っていうかゲスいし。






……本当に、この人なんなんだ??







二口「……んなこの世の終わりみたいな顔すんな」


あなた「ちょ、何か良い行いして?それにする」


二口「探すの諦めんなよ!……たっく、」






と、ポケットに手を突っ込んだままズイッと近寄られる。



思わず距離をとると、ポケットから出した手で手首を掴んで引き寄せた。






ポスッ……、





二口「……スゥ、」


あなた「っちょ、また匂って……!//」


二口「"良い匂い"」


あなた「!」




そっか、そういうのでもいいのか!




あなた「じゃっ、じゃあ私も"良い匂i___、」



双葉🌱🖇〈ブッブー!カンニングはダメです!二口くんは合格〜!〉





なんなのそのルール……!






二口「あとは〜、」



つぅ……、



あなた「〜っひゃ、///ちょ、やめろ!!」




背筋を下から撫でられて胸板を叩くと、意地悪く笑った。





二口「"可愛い声だすとこ"と、"気が強いところ"」


あなた「〜っ、///も、合格したんだから言わなくて良い!」


二口「"照れるとすぐ顔赤くするとこ"……プフッ、」






こいつぅぅぅぅ、!




たくさん言って私を困らせる気だ……ほんとにゲスい!



顔を近づけられ、そらすと頬を緩めた。






二口「"俺の顔になびかないとこ"」


あなた「タイプじゃないだけ!」


二口「"会話のテンポが合うとこ"」


あなた「合ってないし!こじつけも大概にして!」


二口「"そう言いながらも顔赤いとこ"」


あなた「〜〜〜っ、//////」





なんなのこの羞恥プレイ!



何か……何か言わないと。





ふと、堅治の今までを振り返ってみて。





出会い……から、酷かったしな。




お詫びという名前のデートに付き合わされ。



酸っぱいグミを無理やり食べさせられ。



突然付き合おうと言われ。



断ったら逆効果で。



会ったらしょっちゅう困ること言ってくるし。






……あぁ、でも。




でも私……"あの時"は…………。






あなた「バレー……



二口「……ん?」



あなた「バレー……やってる時は、堅治らしい真剣さが……ちょっと、好き。…………かも?」



二口「_________え、/////」





双葉🌱🖇〈キンコンカンコーーーン!はい終了!!ただいまの時刻7時17分です!お2人とも朝練に間に合うように帰りましょう!私も仕事行ってくるし!〉







私が言い終わった瞬間の合図で、私たちの服装は勝手に制服に切り替えられた。


なんでもアリだな……。





双葉🌱🖇〈はい、二口くんは伊達工に転送するね!はいレッツゴー!〉





とんとん拍子で堅治はスッと居なくなり、すぐに閉まっていた鍵が開いた音がした。





日向「いっちばんのり!!!______って、あなた、早いな!」



あなた「え……あ、」






飛び込んできた日向を見て、本当の意味で解放されたと安堵した。




同時に、














もう絶対やめてほしい……。







双葉🌱🖇とやらへの怒りはどんどん積み重なっていっていた。(怖い)






















二口𝓈𝒾𝒹𝑒.°



『バレー……やってる時は、堅治らしい真剣さが……ちょっと、好き。…………かも?』




二口「…………//」


青根「……?」


二口「んなジロジロ見るな!なんでもねぇよ!」













今日の部活くらいは、いつもよりちょっとだけ頑張ってみる、か。






✂︎_______________________



番外編って短くするとか不可能だよね。((



今回は【遊楽@ハイキュー神よ】さんと
    ↑今の名前分かんなかったすみません🙇‍♀️
   【ありんこ🌱🖇】さんからのリクエストでした!
    


閉じ込めシリーズ……いいねぇ←




またしばらく更新できないかもだけど、気長に待っててね☺️❤︎





双葉🌱🖇.

プリ小説オーディオドラマ