第254話

‥どっちが好きなんや?‥
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2020/04/23 23:52
あなた「「すき」ぃ……?」



侑「せや」



治「っ、」



あなたはうぅんと少し考えて、首を思いっきり傾げる。



……どっちなんや。




治「あなた、俺やろ?勿論……」


侑「ど阿呆。俺に決もとるわ」




あなたは俺とサムを交互に見て、またうぅんと考え込む。


そして「あ、そっかぁ」とポンと手を叩くと、人差し指を控えめに立てた。




あなた「すきなのはぁ、にしのやせんぱいっ!」



治「……はぁ?」


侑「……誰やそれ」




「にしのやせんぱい」???


もしかしてさっきの電話のやつか?




治「……」






治𝓈𝒾𝒹𝑒.°




分かってはおったけど……。



やっぱりあなたが惚れた男がおるんは腹立つな。




くそ……。




どんなハイスペック野郎やねん。




俺らが落とせんのぉに、それにコイツがこんな言うゆうことは、相当ええ男なんやろな。




軽々しく男に好意寄せるようには思えんし……。




きっと。




きっと、俺とは違って素直なやつなんやろな。



大人で。



常に冷静で。



コイツのことをスッと引っ張っていけるような。



バレーも、しとんかは知らんけどエースなんかな。



身長高うて。



俺みたく食ってばっかの奴とはちゃうんやろな……。





……そやかて、負けるつもりない。





治「せやったら、俺とツム……俺とツムなら、どっちが好きや?」



侑「……!」




コイツには、絶対負けられへん。



バレーも、こいつんことも。



スタートは一緒やったんやから。





あなた「う~ん……」





侑「なんや、余裕あるんかサム」


治「俺はツムみたくガキやないからな」


侑「……なんやて?」


治「すぐそぉ熱くなるとこ、どーにかせぇや?」


侑「サムかて、んな余裕みせとったら俺に全部持ってかれるんやろが」


治「あぁ?」



あなた「むっ…………けんかやめぃっ」




俺の右腕、ツムの左腕を掴んで止めると、そのままグイグイ押された。




侑「ちょ、あなた……危ないやろがっ」


あなた「ここおすわり!」


治「……っ、おわっ」



ソファーに膝ん裏が当たってバランスを崩した俺とツムは、上手いことクッションに着地した。



あなた「わたしが……わたしがすきなのは……」



治「……」


侑「…………っ」



すぐ隣で、ツムの喉が動いたのが分かった。



ゴクンっ、と、音を鳴らしてあなたの次の言葉を待つ。




フワッ




治「!!?」


侑「っ!?」



あなたは次の言葉を発する前に、俺とツムの丁度真ん中に飛び込んだ。




侑「ちょ、大丈夫か……」



一瞬倒れ込んだんかと心配した俺らに、あなたは頭を上げて「えへへ」とはにかんだ。





















あなた「どっちもだいすきぃ~っ」

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