第250話

‥オムライス‥
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2020/04/22 10:06
あなた「あっ……あの」




侑さんも治さんもなんでこんな急に親しげに……?


混乱した頭を必死に動かすけど理解ができず、1人興味深そうに私を眺める倫くんを見た。




角名「……あなた、さっきのは俺らの内緒、ね」


侑「っ、」


治「さっきのって……なんや」




倫くんは不適な笑みを浮かべると、人差し指を立てて私の唇へ押し当てた。



あなた「ぅ……はい」



勿論私も、侑さんや治さんの相談を倫くんにしたって言えるはずもなく素直に頷いた。



尾白「なんや、皆仲よぉなっとるな」


北「(ほんまいつの間ぁに……)」


侑「(角名となんの話したんや……)」


治「(絶対渡さへんで……)」






侑「ただいまぁ~」


治「おかえり~」




家に帰って、入ってすぐの2人の掛け合いに思わず笑った。




治「……腹減った」


あなた「っあ、作ります!オムライスでいいですか?」



リビングのソファーに項垂れる治さんに声をかけると、勢い良く飛び起きて目を輝かせた。




治「オムライス……っ!」


あなた「ふふっ、治さんオムライス好きなんですね」




微笑ましくて、手を洗いながら言うと「オムライスは好きやけど……」とソファーから立ち上がった。



トコトコとキッチンとの境のカウンターまで来ると、私の目をじっと見る。




治「あなたん作る飯ならなんでも好きやで」




あなた「っ、」





やっぱり……なんか今日おかしくない……?


こんなこと言わなかったのに……。


やっぱり倫くん、何か言ったのかな……?





あなた「っわ!」



照れ臭くなって冷蔵庫の方を向くと、立っていた侑さんに驚いた。



あなた「ど……どうしたん、ですか?」


侑「……俺も作る」




……え。




あなた「作るって……オムライス、ですか?」



侑「手伝わせてぇや」




えぇ……。



今までなら考えられないことが目の前に起こっている。




治「ほなら俺も」



治さんもこっちに来て、キッチンの人口密度が一気に高くなった。



あなた「…………あの、何かあったんですか?」





流石に違和感がありすぎて尋ねると、2人はかお見合わせて「別に?」と笑った。








治「……んま」


侑「自分で作ると美味さ倍増やなぁ」


治「卵割っただけやけどな」


あなた「はは……」



3人で食卓を囲み、オムライスを堪能する。


侑さんはコンロで「ファイアー!」って言いながら色々焦がすし、治さんは放っておくとつまみ食いするしで結局隣で見ていてもらうことになった。



作業が進む度に、「おぉ……」とか「手、手ぇ切るでっ」とか、色々騒がしくてちょっと楽しかったけど。




侑「あなた、今日も夜間来るやろ?」


あなた「え、いいんですかっ」


侑「来ぃ来ぃっ」



食器を片付けてくれ(運んでくれ)、夜間バレーにまで誘ってくれる始末。


やっぱり何かあったよね……。


もう一度同じ質問をしたけど、返答は変わらず「別に?」だった。

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