第278話

‥最後の夜‥
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2023/05/08 17:00



……ふぅ、疲れた。


 


明日には帰るのかぁ……。









コンコンッ







お風呂から出て最後の荷物をまとめていると、誰かが来た。




まぁ誰かって言っても侑か治なんだけど……。








あなた「はーい」







ドアを開けると、立っていたのは侑。





髪から水が滴っていて、お風呂上がりなんだと分かった。



 


あなた「どした?」



侑はチラッと私の後方___まとめていた荷物を見て、また私に視線を戻した。








侑「ほんまに帰るん……?」


あなた「、帰る、よ……」







そんな子犬みたいな目で見られても……。





フワッ……







あなた「!!」









高い位置にあった侑の顔が、すぐ近くに。




私の肩に頭を埋めると、腰に手を回した。








侑「……帰らんといてや」


あなた「え……」







スゥ








あなた「っ、」










顔を動かした侑の、濡れた髪が頬をくすぐり吐息が耳にかかる。








侑「________くすぐったいんか?」


あなた「っっ、」








囁いたその声に、背筋がゾクッと震えた。








あなた「な……に、やめてよ……」









慌ててはねのけて後ずさると、侑はいつものように笑わずに、そのまま近寄ってくる。








あなた「っ、」








ベッドに足があたり、逃げ場がなくなった。









侑「掴まえたで……」








肩に手を置かれて、押し付けられた。








あなた「ちょ、嘘……待って、」


侑「待たれへん。今日までよぉ我慢した思うわ」


あなた「侑……」







私の腰の横に膝をついて、覆い被さる形で私を見据える。




目が……据わってる。








侑「自分……俺のこと兄貴かなんかやと思うとるやろ」


あなた「ど、どっちかって言うと弟だけど……」









ピクッと、頬をひきつらせた。


やばい怒らせた……!








侑「なぁ、どうや?弟に押し倒されて」


あなた「だって……冗談、でしょ?」


侑「……」







なんで、黙ってるの……?







侑「分かっとるやろ?俺やって男や……」


あなた「ん……」








再度耳元で囁いて、身をよじった私の足の間に膝をいれる。








侑「“そういうコト”に関しては……数段上なんやで……?」








侑の髪から滴った水が、私の頬に落ちて首筋につたう。


その経路が鮮明にわかるほど、体が熱い。







侑「なぁ……サムの部屋や思うと余計興奮するやろ」


あなた「し、ないから……やめて、よ」


侑「そない目ぇ潤ませたって……煽っとるようにしか思えんわ」

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