第160話

‥一線‥
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2023/05/08 16:45
あなた𝓈𝒾𝒹𝑒.°



あなた「ん…………?」



ここどこだ?


あ、確か私誘拐されたんだよね、花巻くんに。


それで、ご飯つくってお兄ちゃんのお祝いして、お風呂入って髪乾かしてもらって……あれ?

そのあとは、なんだっけ。



いいや、とりあえず起きよ____っ!?



なんか、居る。


寝起きで気がつかなかったけど、お腹に手が回ってる……。



誰?いつもの流れだと、徹くん……?



身をよじると、キュッと力に力が入ったようで起き上がることができない。



あなた「…………徹くん?」


?「…………」


返答ないんだが。

寝てるのかな……?


クルンッと寝返りをうって徹くんの方を向く。


あなた「っ、!!!?松川く__むぐぅっ」


え?え?え!?


なんで私、松川くんと寝てるの!?


てか、てかてかてか、この人起きてるじゃん!!


松川くんは大声を出した私の口を塞いできた。


松川「シーッ……静かにできる?


コクコク頷くと、目尻を下げて口を解放してくれた。


あなた「わ、私、なんで松川くんと寝てるのでしょうか……


尋ねると、意味深な顔で私を見つめてくる。

聞こえなかったのかと思い、少しだけボリュームをあげた。


あなた「なんで私、松川くんと寝て___っっ!?な、なんで脱い__むぐぅっ」




持ち上がった布団の下に見えた松川くんの上半身はなにもまとっていなくて、再度声を上げた私の口はまた塞がれた。


寝転んでいても分かる、スポーツをしている人にしても固く引き締められた筋肉に、胸がドキッと高鳴った。



松川「……静かにしようね?」

あなた「……ひゃい」


思考を巡らせる。


なんで松川くん裸なの!?


いや、うん考えられるのは一択なんだけど、流石にそれは……。




松川「覚えてないの?昨日のコト……」


口を解放した手で私の頬に手を当てて尋ねてきた。


あなた「え、いや全く……」

松川「ふぅ~ん……?」


私の反応に、心なしか唇を吊り上げたように見えた。




そして次に耳に入った言葉に、私は絶句した。






松川「__あんなに良さそうだったのに?」





岩泉あなた。



15歳。





あろうことかお兄ちゃんの友達と……。




友達と。







友達、と___っじゃない!!




あなた「う、嘘だよね!?ね!!?」




そんな記憶一切無いよ!?



慌てまくる私に、起き上がりながらシーッとすると松川くんは枕元にあったTシャツを被った。








松川「皆には、ナイショね?」

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