及川「は〜い!有志バンド見たい!!」
真綾「賛成〜っ!!」
何仲良くなってんのこの2人は……。
あなた「はぁ……、」
花巻「どーしたどーしたっ。悩み事ならお兄サンが聞きますよ?」
あなた「誰のせいだと思ってんの!」
私達いつものグループ7人と、お兄ちゃん達4人が加わり11人。
嫌でも目立つ。
徹くんがいるだけで目立つのに……。
・
あなた「あ、椋樺達そろそろ屋台の担当だっけ?」
椋樺「!そうだっ。行かないと!」
有志バンドを見終わってすぐに椋樺達が抜けていって、私達も屋台に向かった。
食べ物ばかりじゃなくてヨーヨーすくいとか射的とかもあって、まさに"お祭り"。
松川「あなた、射的勝負しよ」
あなた「なんで皆そんなに勝負したがるの……?」
袖をクイっと寄せられて仕方なく射的に向かった。
?「うぇ〜い!当たった当たった!!」
?「やっべぇプロだプロっww」
射的屋は3組が行っていて、そこで騒ぐ明らかなヤンキー臭漂う軍団。
さくら「なんか怖い……後にしない?」
さくらが顔を青白くするので、後回しに______。
「えっ、あのっ。撃ち落とさないとゲットには___」
?「うぇいうぇ〜いっ!!……んぁ?なんつった?」
接客をしていた女の子がおどおどしながらお客さんの顔を窺っている。
どうやらゲットしてないのにしたと思って騒いでるみたい。
本人気が付いてないのがタチ悪いよね……。
綾乃「関わりたくない……烏野文化祭にヤンキー呼んだの誰よ……」
顔を引きつらせた綾乃を横目で見てから、再度見ると相当困っているようだった。
相手が相手だし、怖いよね……。
でも私もあんまり関わりたくないし……絡まれたら(主に青城メンバーが)面倒臭いし……。
?「えぇ?ゲットだよなぁ?とーぜんだよなぁ!」
「え、いや、あの……」
?「何々、ゴニョゴニョ言って聞こえないです〜」
「うわ、怖い……あっち並ぼうぜ」
「やだもう〜」
私たちと同じく射的に並ぼうとしたお客さん達はそのやりとりを見て他に移っていく。
3組って、カゲくんのとこなんだよなぁ……。
あなた「ね、どうにかできない?」
及川「おっ、俺?」
明らかに嫌そうに顔を引きつらせた。
女の子相手だったら楽勝なのに……とでも言いたげな顔。
?「えぇ〜貰えねぇの?つまんね!」
あなた「…………あれ?」
綾乃「あなた、どうかした?」
よくよく見てみたら……後ろ姿、誰かに似てるような……。
あなた「………………何やってんの?」
?「っ、!?」
痛々しいピアスで確信した。
久々に見たけど……やっぱりそうだ。
照島「ぉわっ、すげぇ!!お目当てのもんが自分からきたぞ!!」
母畑「ゲットゲット〜!!」
銃を持っていた照島さんが店員さんに返して、ケラケラと笑った。
綾乃「あなた……知り合いなの?」
あなた「文化祭荒らすなら帰ってクダサイ」
照島「はぁ!?別に荒らしてねぇよっ。ちょっと射的に熱が入っただけだろ〜?」
あなた「ていうかなんで照島さん達がうちの文化祭に……」
照島「ここ来ねぇとお前に会えねぇじゃん!」
……え、私に会うために来たって事?
ごめん店員さん……。
あなた「何の用ですか……?」
照島「よくよく考えたらLINE交換しねぇとなって!」
あなた「誰も交換するとか言ってないでs____」
グイッ
及川「ちょっとちょっと、何勝手にうちの子ナンパしてんのさ!」
引っ張られて体勢がよろけ、代わりに間にお兄ちゃん達が入った。
岩泉「こいつに用あんなら俺を通してからにしろ」
あなた「え、誰よそれ」
花巻「あなた親衛隊で〜す」
あなた「面白がらないでもうっ」
松川「本人交換しないって言ってるんで」
あなた「うん、ここだけ正論」
なんかもう……色々カオスなんだけど。
照島「ふぅん……?まぁ別に俺はいいんだけど?交換してくれねぇなら最後までいようかなぁ〜……特に、"男装女装コンテスト"とか見ものだよなぁ!」
あなた「え"……、なんでそれ……」
照島さんは楽しそうに案内図を開きながら、コンテストの時間を確認し始めた。
照島「いやぁ〜、烏野にダチ行ってて良かったわぁ」
_________この人にだけは見られてはいけない。
私の危機察知能力が警報を鳴らしている。
お兄ちゃん達に見られるのも嫌だけど、なんかこの人に見られたら終わりな気がする。
あなた「…………交換、したら帰ります?」
照島「帰る帰る〜滅茶苦茶帰る!」
なんか思い通り動かされてるみたいで癪だけど……。
なんかもうSNSで拡散とかされそうだし、致し方なく交換すると速攻お兄ちゃん達が校門から追い出した(ひどい)。
「あ、あのっ、ありがとう岩泉さん……!」
射的屋の店員の子が涙目で伝えてきたので、少し申し訳なくなった。
元はと言えば私のせいかもだし……。
あなた「ううんっ全然!あ、射的遊んでいーい?」
「〜っもちろん!///」
何故かとても嬉しそうに表情を明るくしてから、「あ、そういえば」と何か思い出したように人差し指をピンと立てた。
「さっき、なんか大っきい人達の集団が岩泉さんの話してたよ?「どこいるんだろう」って」
あなた「「大っきい人達」???」
「うん……なんか、無口な男の人と……赤髪のツンツンの人と……あとおかっぱの男の人もいた!」
あなた「………………ぇ"」
岩泉「…………あ"?」
及川「………………それって、まさか……」
嘘でしょ……?
あの人達まで……?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。