研磨「どうして、分かったの……?」
あなた「え、正解だった?」
日向「すげぇ!あなた!なんでなんで?」
目をキラキラさせて聞いてくる日向を落ち着かせるように手で制して、答えた。
あなた「研磨くんのやってるゲーム、私もしてるんだけど結構頭使ったりとか戦略練ったりとか難しくてさ……レベル高いみたいだったからなんとなぁく……。」
そう言うと、研磨くんはゲームの画面をサッと隠した。
詮索されるのが苦手なんだろうか。
あなた「ご、ごめんね、勝手に見たりして……、」
研磨「……」
目をそらして、無言で首を振ってきた。
人見知り……。
3人で話していると、「研磨ぁ!」と誰かの声が聞こえてきた。
揃って振り向いてみると、そこには同じく真っ赤なジャージを来ている背の高いツンツン頭の男の人と、その隣に_____、
日向「清水先輩っ!?」
どうして清水先輩が……。
研磨くんは「またね」と言い残して背の高い人のところへ戻っていき、清水先輩は何かを言われてペコリと頭を下げるとこっちへ来た。
あなた「先輩、なんで……、」
清水「あなたちゃんを探してたら偶然会って、一緒に探しませんかって……。」
新手のナンパか?ごるぁ……。
後ろ姿に拳を握りしめていると、研磨くんが振り返った。
すぐに拳を開いて手を振ると、控えめに手をヒラヒラさせてくれた。
合宿所に戻ってご飯を食べ、また練習。
夕方に合宿所に戻り晩御飯を作る。
武田「……2人とも」
途中武田先生が口を開いたけど、「やはり後にしましょう」と気になることを言われた。
皆が帰ってきてご飯を食べている中、武田先生が席を立って口を開く。
武田「えぇと、皆さんにお話があります。
改まった声のトーンに、食べるのをやめて視線が集まる。
武田先生は申し訳なさそうな顔をして皆を見渡した。
武田「最終日に対戦する音駒高校から、マネージャーを1人貸してほしいというお話を受けました。
「「「「!!?」」」」
田中「なんだよそれ!」
皆口々に反論する中、私と清水先輩は顔を見合わせた。
私か、清水先輩が向こうへ……。
武田「付け加えて、できれば3年生を、とのことです」
武田先生の驚くべき言葉に、特に西谷先輩と田中先輩が絶望的な顔になったことは言うまでもないだろう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!