第206話

‥山口‥
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2020/04/07 21:30
山口𝓈𝒾𝒹𝑒.°


2日目。

やっぱり、ツッキーのことは気になる。




日向「折角梟谷のエースの人が練習誘ってんのに断ってんの!あぁ信じらんねぇ!!」


日向は、自主練の誘いを断ったツッキーを見てそう言った。


山口「日向、あのさ……日向なら、今のツッキーに何て言う?」

日向「えっ?」

山口「その……影山とか、谷地さんの時みたいに」

日向「なにも言わないけど」


え?

日向は俺の発言に、1拍置いてすぐに答えた。


日向「だって、月島はバレーやりたいのか分かんねぇんだもん。やりたくない奴に、「やろうぜぇ!」何て言っても仕方ないじゃん」


……確かに。

でも、でもツッキーは。


山口「ツッキーは…………バレーは嫌いじゃないはずなんだよ。そうじゃなきゃ烏野に来ない……」


視線を下ろした俺を見て、日向は芯の通った声で言った。


日向「山口は?山口なら、月島に何て言う?」




俺なら……?





俺は小学校の時、いじめられていた。


『カッコ悪っ』


ツッキーの言った台詞に救われて、バレーを始めた。


ツッキーは、お兄ちゃんの事があってから少し変わった。


でも高校に入って、日向達と関わって、ちょっとだけ、いい方に変わっていっていると思った。


でも、今のツッキーは……。




昨日だって、あなたちゃんと話してるのを聞いて、思った。


ついこの間、学校からの帰り道、俺は勇気を出してツッキーに聞いたんだ。






山口「ねぇ、ツッキー……ツッキーはさ、あなたちゃんのこと、どう思う?」

月島「は?」

山口「ぅ……、あなたちゃんの事、好きなのかなぁって……」


ツッキーは顔をしかめて、いかにも不機嫌そうに答えた。


月島「誰があんな猿」


でもいつも冷静なツッキーのその反応こそが、答えだと分かった。


山口「俺、さ……あなたちゃんのこと気になってて……」


でも、ツッキーがそうなら、俺にはもう勝ち目なんてないんだと分かっていた。


月島「……あ、そう」


興味無さげに言うツッキー。


でも、少しだけ焦ったような顔をしたのを、俺は見逃さなかった。


山口「つ、ツッキーは仲良いし、敵わないなぁ……」


正直詮索のつもりだったんだ。

保険、みたいな。


月島「……たかが恋愛でしょ。それにあいつ、西谷さんしか見てないから。どうせ無理なんじゃない?」


……もし、本当にあなたちゃんに興味がないなら。


そんな風に辛そうには、言わないよね。


山口「そ、そうなの……?西谷先輩かぁ……。で、でもツッキーなら_______」


月島「山口。うるさい」


いつも言われるその台詞が、やっぱり暗い気持ちを含んでいるって、よく分かった。









……よし。





山口「ツッキーーーーィィィィィィィ!!」

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