第344話

start:もう、やめよう
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2020/05/21 00:03
本編(?)スタートです!


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月島「本当に……いいの?」



あなた「……うん」




もう何度も唇を重ねてから、月島くんは耳元でそう囁いた。


“引き返すなら”、今のうち___。



そういう意味合いだとすぐに分かって、私は首を縦に振った。




あなた「月島くんの方こそ……私なんか、」


月島「……キミがいいって、何度言ったら分かるわけ?」


あなた「……うん。………………うん




なんだかもう、泣き疲れて、考え疲れて……。


頷きながら月島くんの胸元に顔を埋めた。




あなた「………………ありがとう


月島「……ん」




優しく、優しく頭を撫でてから……。


キュっと抱き締めて、私の首元に顔を落とした。





あぁどうして……。




どうしてこんなにも、優しいんだろう。







暫くしてから、部屋に戻った。


仁花ちゃんは戻ってすぐに駆け寄ってきて、「どこ行ってたの?」と心配そうな顔を向けた。



あなた「ごめん……!迷子になっちゃって」



まぁそんな訳ないんだけど、容易く信じてくれたのでそういうことにしておいた。



かおり「そうだ。さっきさ……烏野の人が部屋に来たよ?」



衣服をたたみ畳みながらこっちを向く。


烏野の人……?



あなた「……?私に、ですか?」


仁花「あ、そうだった!あのね、なんか急いでたみたいで……」


あなた「、誰?」



マネージャーの事なら清水先輩がいるし、ならカゲくんかな……?




仁花「西谷先輩・・・・!」


あなた「_______、」




言葉に詰まった。



西谷先輩……。



どうして、西谷先輩が……?




あなた「……急ぎの用、だったの?」


仁花「うーん……なんかね、走ってきたみたいだったから……。でも、「居ない」って答えたら「やっぱり大丈夫」って」




あんなに……。


あんなに距離ができていたのに、どうして急に私のことなんか……。



正直、話を聞きに行こうかと何度も頭を過った。


でも……。



月島くんが、いるから……。



あなた「……そっか。教えてくれてありがとう」




……もう、やめよう。




黒尾𝓈𝒾𝒹𝑒.°




うっわ……染みる。



研磨「……クロ、もう食べないの?」


黒尾「おーん」



昨夜殴られて、口ん中切れてんな……。


……あの後、マネ部屋に走っていく西谷が見えた。


きっと話しに行ったんだろう。


それなら、晴れてあの2人は……。



研磨「あ……あなた、おはよ」


あなた「おはよ!研磨くん」



ほら、この嬉しそうな口調……。


俺は目を落とした。

幸せそうな顔を、見たくないっていう少しの抵抗。



研磨「ここ、座………………もしかして、2人?」



一緒に飯食うのか……一旦部屋戻ろうかな。



あなた「あは、うん。じゃあお邪魔します」



2つの、椅子を引く音。



黒尾「……研磨ぁ、俺監督んとこ行ってk___ツッキー?」



あなたの隣に座っていたのは、西谷ではなくてツッキーで。



月島「?……なんですか」



何度見てもツッキーだ。

なら西谷は……?



あなた「……黒尾さん、もう食べないんですか?」


黒尾「……ん、おう。染みるから」



動揺して適当に答えてから、やっぱり部屋に戻ることにした。

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