第243話

‥来ぃ‥
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2020/04/21 10:53
あなた𝓈𝒾𝒹𝑒.°



「あ……侑……」



侑さん……私の事忘れてるのかと思った……。



侑「触んなや」



「は……この子なんなん?」


「侑くんの知り合い……?」



侑「せや。ちょっかい出すなや?」



「っ、そのジャージ……バレー部のとちゃうん!?」



あなた「ぁっ……」



脱いでくれば良かった……。



侑「……」



ジトーッとした目で見てくる。



ごめんなさい……。



目で訴えると、伝わったかはともかくとしてふぅっとため息をついた。



侑「せや。うちのマネージャー」



「!侑くん、マネージャーはとってないゆーてたやんか!」


「どういうこと!?誰なんこの子!」



あれ……なんか、悪化してない?



というか、侑さんの顔がどんどん苛立っていってるような……。







侑「______喧しいわ。豚共が」








なんですと。





侑さんに睨まれた女の子達は肩を震わせて走り去っていき、残った男の子達もいつの間にか居なくなっていた。




侑「ほんで……自分なんしにここ来たん?」



少し機嫌悪そうに首の後ろに手を当てる。



あなた「あ……お弁当を届けに来て」


侑「っ!!…………そ…………っ、い……お、おおきに」



何か言いたげだったけどお弁当を素直に受け取ってくれた。



治「弁当届けるためだけに来てくれたん?」


あなた「あ……どうせセミナーも休みだったんで」


侑「さよか」


あなた「そしたら私、帰りますね」


ガシッ


侑「待ちぃや」



視線も痛いし退散したいところだけど、侑さんに腕を掴まれた。



あなた「……えっと?」


侑「このまま帰ってもろたら困る」


あなた「え?」


侑「見ぃ」



クイっと顎を向けられ、教室中の視線を集めていることを再確認した。



侑「自分今俺らのマネージャーやねん。おってもらわな筋が通らんやろ」


あなた「あ……そっか」



そう……なのか?


とりあえず椅子を引いてくれたのでそこに腰かけて、すでにお弁当に手をつけている治くんを見た。



治「んま」


あなた「よかったです……」



エビフライを口に咥えてグッドサインを送ってくる治さん。


ちょっと可愛い、かも……?



侑「にしてもまさかそのジャージ着てくるとはなぁ」


あなた「優子さんに着せられて……」


治「……それ、どっちのや?」


あなた「さぁ……?名前とか書いてるんですか?」


侑「書いとるわけないやろっ」


治「ちょお、来ぃ」


手招きされて、椅子から立ち上がって近寄ると手首を掴まれた。


グイッ


あなた「わっ」



前屈みになったのを、治さんはくんくんと鼻を効かせた。








近……!

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