月島𝓈𝒾𝒹𝑒.°
あなたが風呂に入ってる間、自室で頭を抱えていた。
家に呼んだはいいけどこれと言ってすることがない。
宿題を持ってくるとは言っていたけど、終わったら何をしよう。
ゲーム機なんて持ってないしそもそも女子と2人で遊んだことなんてない。
……何するもんなんだ?
ふと、あなたがさっきまで座っていたベッドに目をやった。
……。
月島「いや……違うだろ、///」
あなた𝓈𝒾𝒹𝑒.°
あなた「……月島くん」
あ……こうして見たら、月島くんの方が背が高いんだ……。
って、そうじゃなくて……!
明光「蛍……」
月島「何話してたの」
あなた「あ、うぅんと……大したことは別に、」
月島「……行くよ」
月島くんはお兄さんに目もくれず、余りきったパーカーの袖を引っ張って二階へ引っ張られた。
パタン……
あなた「なんか……機嫌悪い、?」
もしかして、服似合わなさ過ぎて幻滅した……?
それともお兄さんと話したから?
ブラコンだったりするのかな?
月島くんは何も答えず、ただ高い位置から見下ろしてどんどん近寄ってくる。
威圧感に怖じけて後ずさると、クイっと背中側の布を掴まれてベッドに身を預けた。
あなた「月島くん……?」
覆い被さるように私の顔の両側に手を付いて、視線が交わる。
月島「……キミってこんな小さかったっけ、」
あなた「……バカにしてる?」
そりゃ月島くんの服着てたらそう見えるかもしれないけど……!
月島「……無理なんだけど」
あなた「う……やっぱ似合わないよね?ごめんって……」
あれだよね、彼シャツなるものが私なんかで台無しに……。
あなた「っ、んむっ」
チュ……、
何度も何度も、言葉を遮るように唇を塞いで止まらない。
あなた「ふ……ぅ、月島く、___」
月島「無理……抑え効かない」
あなた「ぇ、」
月島「なんでそんな隙だらけなわけ?手出されても文句言えないと思うんだけど」
っ……!?
あなた「え、待っ……しない、でしょ?」
目が据わってると思うのは私の勘違いだろうか。
月島「ちゃんと抵抗して……。じゃないと、ほんとにやばいから……加減できない」
あなた「…………っ、」
息遣いが荒い。
月島くんのこんな顔……見たことない。
このまま身を任せれば、されることはちゃんと理解してる。
してる、けど……。
月島「……抵抗、しなくていいの?」
あなた「〜、」
そんなこと言われても……していいものなの?
だって、付き合ってるわけだし……。
あなた「_____!!?、ん、待っ……」
着崩れたパーカーの裾から空気に触れたお腹辺りに、月島くんのひんやりとした手が這う。
どんどん上に上がってきて、ギリギリのところで私の手が動いた。
両手で掴んで、押し戻す。
あなた「やっぱ……恥ずかしい、かも」
月島「……分かった。」
目を伏せて、手を離した。
その手首を掴んで、逆に思いっきり引っ張る。
月島「っ、!?」
ポスッ……
上手いこと避けて、私の顔の横に顔が落ちた。
月島「……何」
あなた「宿題、の前に……」
月島𝓈𝒾𝒹𝑒.°
「宿題の前に」、なんだよ……。
あなたはもぞもぞ動いて僕の体から抜け出し、一旦離れてまたくっついた。
僕の首元に顔を近づける。
スンスンッ、
鼻を利かせて、へらっと笑った。
あなた「月島くんの匂い……好き、」
月島「っっっ、」
キュゥゥゥゥゥ、
喉の下あたりが締め付けられるような感覚。
僕はあなたのこの顔が苦手だ。
愛しすぎて、セーブが効かなくなってしまうから。
月島「ちょ、離れて____」
スー、スー……スー…………
……嘘でしょ?
あぁ……なるほどね。
キスしたあたりから薄々勘付いてたけど……。
部活後に、雨の中走ってほぼ道を往復。
加えて風呂上がりのせいで血流が良くなって……。
眠かったわけか。
流石に夜のあなた程ではないにしても、今みたいな甘え切った顔をしたのはそのせいだろう。
僕の胸元に無防備に顔を押し付けて、幸せそうに寝息を立てる。
今我慢したばっかりなのに……。
月島「……軽く拷問だろ。これ」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。