二口「まっ、どうでもいいか。また会えたね」
一瞬見せた悪い顔を捨てて、ニコッと笑う。
どっちが本当の顔なんだろう……。
あなた「……」
二口「なんか言えよ~__前みたいに、無理やり口開けてやろうか?」
っ、黒尾さんの顔……。
スッと伸びてきた手は、私の顔を下から包んだ。
あなた「やめっ___」
グッ……
低能しようと掴んだ腕を、誰かが横から掴む。
黒い袖……。
西谷「手ぇ離せ」
あなた「!!西谷先輩っ」
やばい、めっちゃ嬉しい。
探しに来てくれたの?私のこと……。
二口「……あ、リベロじゃん」
西谷「あぁ?…………お前、伊達工___」
え、なにこれ。
なんでこんなバチバチしてるの……?
え?なに??
澤村「いたかー?西谷ぁ……っ、伊達工……」
?「おい二口お前勝手に居なくなるな__烏野……」
……え?
なに、皆で修羅場?
影山「っ、あなた!!」
すぐにカゲくんが駆け寄ってきて、私の手を引く。
あなた「あぁ、ごめんごめん」
ゴールデンウィーク以来、お兄ちゃん化していってる気がする……。
二口「はははっ……さすがあなた、愛されてんね」
嘲笑うように言って、ポケットに手を突っ込み私と目線を合わせた。
二口「んで?お前の今のとこの王子さま、どっち」
王子さま……??
そういえば前会ったとき、私は好きな人が居るって言ったんだ。
その事なのかな……。
黙り混む私にまた笑って、堅治は西谷先輩をチラッと見た。
二口「まぁ、表情とかで大体分かっちゃったけど」
堅治と目が合った西谷先輩が、また「あぁ?」と絡む。
西谷「てめぇ……あなたとどういう関係だよ」
やばい。
不謹慎かもしれないけどこの状況……。
___めっっちゃ神シチュ!
ウズウズを必死で隠そうと口を手で覆ってただただ西谷先輩を見つめる。
その私手をとって、堅治の方へ寄せられた。
二口「彼氏です」
烏野「!!!?」
二口「あっれ~驚いちゃっt__ごふぅっ」
あなた「何勝手なこと言ってんのこのアホ!!」
二口「えぇ~?カップルだったじゃん俺たち~」
あなた「ふざっけんな!!」
もう、こんなやり取り黒尾さんともしたよね……?
やっぱり似た者同士……。
てか、堅治離してくれない……。
グイッ
反対側の手を引かれてバランスを崩した私は、ポスッと西谷先輩の胸へ__。
西谷「あんまベタベタすんな」
もう、神様ありがとう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!