第112話

‥どちゃんこ‥
46,313
2020/03/24 13:30
ピッ……ピーーッ





東峰「うおぉぉぉぉぉぉっ!!!!」



両手に拳を作った旭先輩の雄叫びに呼応するように、会場が盛り上がった。




あなた「~っ……」




滝ノ上「おっしゃぁぁぁ!……って、あなたちゃん!?」


あなた「ふぇ……?」


嶋田「な、泣いてんの!!?」




そういえば、西谷先輩のレシーブの辺りから目と喉が熱かった。


こんなに、こんなに感動した試合は今までにない。




あなた「~っ……感動して……っ」


ポタポタと流れる涙を必死で拭っていると、2人は優しく「そうだな」と言ってくれた。





?「澤村ぁ、菅原、東峰!2回戦突破おめでとう!」


スタンドに挨拶に来た皆に、女子バレー部の先輩が手を振った。


澤村「道宮!道理で女子の声がすると思ったっ」


菅原「気付かなかったのかよお前……」


道宮「リベンジ、できたね」


澤村「っ、おう!___って、あれ?あなたは?」


菅原「ほんとだ、居ない」






居るんです。




実は。




もうね、涙止まらんくてついつい横断幕に隠れちゃいました。




今でも止まらんです。



どうしましょう出ていけません。




このまま行方不明でお願いしていいですかね?




滝ノ上「たっく……おーい!居るぞここに!」



あなた「っちょ!!?滝ノ上さんのアホ!!」



田中「?なんで隠れてるんだよ!」


西谷「そうだそうだっ!」


菅原「ほらあなた~っ出ておいで~」




グイッ




無理やり立たされた私は、もうどうしようもない顔で皆を見下ろした。


私の顔を見ると、皆納得したような笑顔を見せた。



澤村「っはは、なるほどな」


菅原「ほらもう泣くな泣くなぁ~」


月島「プックク……ひどい顔~」


東峰「こ、こら月島ぁ」



やだもう恥ずかしい……。





顔を覆う私に声を張ったのは、やっぱり西谷先輩だった。


西谷「あなた!見たか俺のレシーブっ!!」


あなた「っ、はい……グス,見ました……、っどちゃんこかっこよかったです!!!」



涙ながらに叫ぶと、西谷先輩は笑いながら拳をつきだしたので、私もそれに応えた。

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