月島𝓈𝒾𝒹𝑒.°
月島「なんで王様の寝相とか知ってるわけ?」
正直僕も、自分を選んでくれるとは思わなかった。
そこはもういいとしてそれよりも、こいつが『王様と寝たことがある』ように話していたのが引っ掛かったんだ。
あなた「……電車、とか……バスとかで」
どうしてこんな質問をするの?とでも問いたげな顔で答えた。
月島「……ふぅん」
同じ中学だしね、側近だし?
まぁそういうことも当然あるよね。
……くそ、なんでこんなモヤモヤするんだ。
あなた「なんでそんなこと_______ひゃぅっ、ちょ、やめ……」
イライラして耳を覆っていた手を掴んでもう片方の手で耳をなぞると、体をビクッと跳ねらせた。
月島「別に理由ないから。もう寝ろ」
あなた「えぇ……?何、気になるよ!!」
月島「…………………………」
食いつくなよ……。
グイッ
あなた「わっ」
頭の後ろに手を回して引き寄せて、膝の上に顔を埋めさせた。
あなた「ちょっと~」
月島「黙って寝てなよ。膝貸してやってるんだから感謝しなよ」
あなた「こっ、こんなん寝れないんだけど」
ぶつぶつ言いながら耳を赤く染めている。
自分でやっといてなんだけどこんなの僕の方が平気でいられない。
案の定、あなたは少ししたらスースーと寝息を立てて寝始めた。
あなた𝓈𝒾𝒹𝑒.°
月島「起きなよ……。ねぇ、ちょっと」
むにゃ……。
もう朝……?
あなた「________……ふわっ!?」
目を開けると、自分の部屋の見慣れた天井ではなく眉間にシワを寄せた月島くんの顔が1番に目に入った。
ゴツンッ!!
あなた「ふぐぅっ……!!?」
月島「っ!!?痛ぅ…………」
驚いて身を起こすと、月島くんの額に私の額がぶち当たった。
うぐぐ……やばい、星が回る……。
頭を打った衝撃で、ここがバスなんだと分かった。
そっか、合宿だ……ん?
頭を抱えてプルプルしてる。
そこまで??
あなた「月島くん、どうかした?」
月島「……っ、この石頭……っ」
あなた「えぇ……初めて言われた」
石頭か……今度徹くんを撃退する時は頭突きしてみようかな……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。