火事……!?
無機質な火災報知器の、大音量の警報が私の脳を活発化させた。
なんで……。
とにかく出ないと!
部屋を飛び出て、1階に降りるとリビングのガラスが曇っていた。
侑……治!?
「せやからあかんゆーたやろが!窓開けろ!」
「焦げとるでほんま……ツムに火任せたらあかん」
「しょうがないよ……選手交替だね」
バタンッッ
「「「「!!!?」」」」
あなた「侑!!!治!!!______え」
リビングに飛び込んだ私の目に飛び込んできたのは、慌てて窓を開けている侑と北さん。
そして台所の方には治と倫くんが立っている。
しまった、という顔をして青ざめる一同。
あなた「…………何、してるの?」
~時は遡り練習後~
黒須監督「侑、今度また前のマネージャーの子つれて来ぃ。ええ戦力になるわ」
侑「それがあかんのですわぁ……あなた、明日には帰ってまうんで」
北「そうなん?」
治「明日朝飯食ったら出るんすわぁ」
尾白「お世話になりっぱなしやろ自分ら」
侑「せやけど何もしてやれること見つからんのですわ……」
赤木「美味いもんでも食わしたれば?」
侑「…………」
侑&治「それやっ!!」
・
侑「つぅわけで北さん……俺ら料理さっぱりなんすわ……」
治「お助けを……」
北「……てんとう虫ちゃんのためやしなぁ」
侑「(正直北さんを家に入れるんは気ぃ引けるけど……しゃあないわ)」
角名「……俺も行く」
治「珍しいなほんま(あなた目当てやろ……分かってんで)」
・
侑「ファイアー!!!!!」
~そして現在~
あなた「……で、侑がお約束の「ファイアー!」で煙を充満させた、と……」
侑「……あい」
あなた「_______スゥ……」
侑&治「っ、(怒られる……!)」
あなた「___怪我なくてよかった……」
侑「……え」
一気に体の力が抜けて座り込んだ私を見て、みんなポケーッと口を開けた。
あなた「……なによ」
治「てっきり怒られる思たわ……」
あなた「はぁ……とりあえず、換気扇回すってことを覚えてね」
ため息をつくと、おぉ、と手を叩いた。
侑「その手があったんか……!」
だめだこれ。
あなた「で、名に作ろうとしてたの?」
北「カレーらしいで」
カレーか……。
あなた「私も手伝うから、みんなで作ろう?」
正座している侑と治と視線を合わせると、2人は目を輝かせた。
侑&治「おんっ」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!