第46話

‥球技大会 サーブ‥
52,897
2022/02/16 17:38
リオ「ちゃんと決勝まで上がってきて、偉いねぇ~」


サオリ「月島くんと、それからバレー部に関われるのは今日で最後なんだし、せいぜい頑張れば?」






他の人に聞かれないように巧妙に話しかけてきた。







『キミがナイーブになるのとかマジで勘弁してよね』







月島くんの言葉を思い出して、笑みが溢れる。







あなた「うんっ。私頑張るね!」






拳を突き出して笑って見せると、3人はまた顔をひきつらせた。






あなた「それじゃ、作戦会議。向こうの主力は椋樺、リオ、サオリ。椋樺は特にスパイク強烈だから気を付けよう」


真綾「私あのスパイク取れる自信ない……」






真綾が頭を抱えて唸るので、肩にポンッと手を乗せた。





あなた「なるべく、向こうに攻撃させないようにこっちがガンガン点を取っていこう」


バスケ部女子「で、でも最初コッチのサーブで始まるよね……?初っ端から向こうの攻撃になるんじゃ……」


あなた「サーブを取らせなければいいよ。私のサーブから始めていい?取られない自信がある」


真綾「確かにあなたはサーブ上手いけど、バレー経験者には取られちゃうよ……」






いや、取られない。


警戒されないように今までは使わなかったけど、私には徹くん直伝のジャンプサーブがある。




とにかく大丈夫だと説得していると、野球部の男の子が手を上げた。







野球部男子「あのさ、観戦してて思ったんだけど、向こうでレシーブをまともにできるのはさっき岩泉さんが言った3人。けどあの3人、苦手なコースがあるみたいなんだ……」










一通り作戦会議が終わって、時間がきたので試合開始。





山口「あなたちゃん!ナイッサー!!」





向こうのコートでクスクス笑っている3人を見てから、ボールをつきながら後ろへ下がった。



笛がなり、高くボールを上げる。







キュッ、キュッ……




ドゴッ








ボールは一直線に椋樺の元へ向かった。




ちょっと横にそれたかも……。







でも。








椋樺「ぅぐっ、」









スパイク並みに威力のあるサーブは、椋樺の腕から弾かれてステージの上へと転がっていった。






あなた「っ、」







ガッツポーズをしようとしたところで、ギャラリーにいる他チームの皆の歓声に驚いた。







真綾「あなたっ!すごいっ!!すごいよ!」








跳ね上がってハイタッチをしてくれる真綾と笑い合う。









次もサーブは私だ。









序盤で突き放してやる……。

プリ小説オーディオドラマ