第192話

‥ぶん投げる‥
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2020/04/06 01:46
ブロロロロ……



あなた「はーい。質問っ。何で私も車乗せられてるんですか?」


烏養「丁度居たからだ」



理由になってない。


日向が来たあと、すぐに車に乗せられてどこかに移動。


後部座席からミラー越しにコーチに尋ねたけど、思った返答は来なかった。


田んぼ沿いの道を進んでいく。



日向「どこ行くんですか?コーチ」


烏養「……行けば分かる」


答える気ないみたい。



?「足動かせ足っ!」


「ナイスレシーブ!」


?「もういっちょっ」



……誰?



連れてこられたお家では、庭にバレーのコートがあって年配の男の人が小学生?らしき男の子達にバレーを指導していた。


烏養「退院したばっかで、そんなに暴れて大丈夫かよっ」

?「あぁん?元気になったから暴れても大丈夫ですよが、退院の意味だろうがぁ」



……ちょっと違うような。


烏養コーチは苦笑すると、その男性を指差した。


烏養「うちのじーさん」

日向「っ!?じ……」


じーさんって……え、まさか……。


日向&あなた「烏養っ、監督……!?」

烏養監督「ん?」



その後、コーチがぶん投げられたり日向が投げられ志願したりとまぁもろもろあり、コーチはカゲくんの所へ車を走らせた。


……あの人、完全に私のこと忘れてるよね。


置いていかれたんだけど。



?「ね~お姉ちゃんはしょーちゃんの彼女?」

あなた「ごふっ……違うよっ。友達友達っ」



最近の小学生は……けしからん!


?「ふーん。お姉ちゃん名前なに?僕小笠原優!」

あなた「岩泉あなただよ~」

答えると、他の何人かも自己紹介をしてくれた。



日向「影山は、すげぇやつだから、きっと大丈夫です」


あなた「っ、……!」


烏養監督と話していた日向の声が、すぅっと耳に入った。


日向「だから俺も、置いてかれないように、頂上てっぺんでの戦い方、教えてください!」



優「なんでお姉ちゃん泣いてるの~?」

あなた「っ泣いてないもんっ!」

陸「変なの~」



優くん以外の小学生の皆は帰ったけど、すぐに優くんのお兄ちゃん、大学生の2人組がやってきて、日向の「誰とでもファーストテンポ」特訓が始まった。



優「っごめんしょーちゃん!短いっ」

日向「あわわっ……」



……空中漁業。




烏養監督「んで、お前は?」


あなた「ふぇっ」


座って眺めていると、横に座った烏養監督に気がつかなかった。


あなた「あっ、マネージャーです」

烏養「……もしかして、お前がアナリスト志望の女子高生か」

あなた「あっ、はい。それですね」


照れ臭くて笑うと、烏養監督は日向の練習を見ながら言った。



烏養「険しい道になるかもしれんが……慶心から話を聞く限りでは心配する必要もないかもなぁ」


あなた「……ありがとうございます!」




次の遠征が終わったらすぐにセミナーだ。


気合い入れよう!

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