第87話

‥月島くんの暴走‥
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2020/03/21 08:33
綾乃「あなたおはよ!」

教室に入るとすぐに、綾乃達が出迎えてくれた。

ゴールデンウィーク前と違うのは、綾乃、真綾、さくらの3人に、椋樺、リオ、サオリが加わったこと。


違うクラスなのに朝を一緒に過ごすくらい仲が良くなった。


荷物を置いていると、リオが私の腕を掴む。

リオ「あなた!遊びに行こう!!」

あなた「ん?遊び??」

椋樺「来週末テスト期間で部活ないでしょ」

さくら「皆で遊びに行こうよ!」



……こんなにも仲良くなれたの……?


サオリ「ちょっ……あんた涙腺弱すぎ!こんなんで泣かないでよ!」

真綾「あなた~行くよね?」


わいわい盛り上がりながら、私がブンブン頷くと大笑いされた。




月島「仲、良くなったみたいだね」


昼休みに武田先生から雑用で呼び出されたバレー部2人(山口くんは委員会)。


プリントの整理をしながら話す。


あなた「ん…………あぁ、椋樺達のこと?」


……あれ?月島くん、椋樺たちと私が揉めたこと知らないはず……。


不思議そうな顔をする私に、月島くんは手を動かしながら言った。


月島「色々あったのはもう知ってるよ。良かったね。仲良くなれたみたいで」


なんで知っているのか勿論驚いたけど、なんだか違和感があった。


あなた「……月島くんて、こんな優しかったっけ」

私が誰と仲良くしようが自分には関係ないとか思ってそうなのに、「良かったね」なんて……。


月島「……やっぱ今の忘れて」

呆然とする私を横目で見て、そんなことを言うものだから笑った。

あなた「やだっ。優しい月島くんレアだもんっ!」

月島「あの時手を出さなかった時点で相当優しいと思うんだけど」

あなた「?なんのこと?」

月島「……なんでもない。それより__」


書類の整理が終わったのか席を立って、まだ終わっていない私の真横まで来た。


あなた「?」


机に手をつくと、かがんで私と目線を合わせる。

もう片方の手で眼鏡を外して、そのまま私の髪を掬った。





あなた「っ、なに…………」



チュゥ…………



あなた「~っ!!?」



ガタタッ



音駒との別れ際に黒尾さんがしてきたように、頬に唇を当てられた。


衝動的に距離をとる。


あなた「なっ…………なっ、」


動揺する私を見ながら、眼鏡をかけてグイッと口を拭う。


月島「そんな無防備だからあんなことされるんでしょ」

あなた「あんなことっ、て……」

月島「しかも裸見た仲ってなに。音駒に行ってそういうコトに励んでたの?」


質問攻めしながら壁まで追いやられる。


……なになになに!?


いつもの意地悪??



でも




……どうして月島くん、哀しそうな顔するの?

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