第113話

‥すみません‥
46,260
2020/04/24 12:01
ピッ




なんか、公式戦では久々な気がする。




ドゴッ





徹くんの、強烈サーブ。





また1点加算されて、青城は大盛り上がりだ。





もう涙なんか止まって、皆で上から観る。




東峰「これで4本連続サービスエース……」


烏養「威力は言うまでもねぇけど、あのコントロールもえげつねぇなぁ……」



ため息をつく烏養コーチ。



日向「でも、あのサーブさえ何とかすれば……」


あなた「いや」


菅原「確かにサーブも怖いけど、セッターとしての及川は俺達にとって完全に未知だ……」



単にサーブがすごいだけなら、ベスト4になんて残るはずがない。




岩泉「もう1本ナイサー!!」



ピッ



やっぱり、敵だとしても徹くんの出す音は、爽快だ。




「すまんっ」

「チャンスボール!」



あなた「っ!!」


思わず立ち上がって、手すりに寄りかかった。



日向「?あなた……??どうし」


あなた「っお兄ちゃんいけぇぇ!!」


烏野「……!?」



ドゴゴッ



ピッ



あなた「~っ、ナイスk………………」





やばい。





やらかした。






私今、烏野として観に来てるんだった……。







恐る恐る振り替えると、苦い笑顔を作っている皆。




あなた「ご、ごめんなさ」


烏養「……いいよいいよ。存分に応援しな」



両手をヒラヒラさせたコーチにお辞儀をして、お言葉に甘えることにした。



菅原「なんつーか、すげぇ滑かな連携だな……」


影山「及川さんと、岩泉さん……あなたの兄貴は、小学校クラブチームから一緒らしいです。阿吽の呼吸……ってやつです」





あなた「コーチ……すみません」

烏養「なんだ?」

あなた「私…………青城の弱点も、対策も、なにも思い付かない……こうして見てて改めて、穴のない完成したチームなんだって、思わされます……」


伊達工の対策や戦略は多少ながら練ることができた。


それでも今の私には、青城への勝ち筋がどうしても見えない……。


烏養「チームの100%の力を引き出せるセッターか……」



どうしよう……。



空気が沈んでしまった。



日向「大王さまかっけぇぇ!早く試合したい!」


あなた「っ……」


西谷「おう!サーブ俺狙ってくんねぇかなぁ、とりてぇ!」


日向「ノヤっさんもかっけぇ!!」


烏養「頼もしいなぁ」








日向と西谷先輩に、救われた。







試合は金田一のスパイクで25点目が決まり、青城のストレート勝ちで終わった。



体育館を出て、荷物を集める。





?「あなたっ」

プリ小説オーディオドラマ