ようやく観覧車が着いてから、降りて違和感に気がついた。
北「なんで自分ら先に着いてんねん」
そう、私達より後に乗ったはずの侑と治が出口のところで待っていた。
角名「俺達2周したんじゃ」
あなた「えっ、どうりで長いと思った……」
角名「嘘だから」
あなた「………………」
や、知ってたし。
侑「サムと2人っきりで観覧車乗るわけないやろが。ほな夜景見に行くで」
仏頂面でこっちに来て、私の手を握った。
そのままグイっと引っ張られ、引きずられる形で歩き始める。
足並みを揃えて歩くと、治も隣に来た。
あなた「ねぇ、待ってる間2人何してたの?」
治「…………なんもしとらん」
あなた「そう……?」
もう辺りは暗くなってて、電灯を頼りにスポットに辿り着いた。
あなた「綺麗…………」
海の向こうに見える明かり一つ一つが、星みたいに輝いている。
向こうの道路では道行く車のライトが走っていて、こんなに沢山の人で溢れているんだと痛感した。
侑「……目ぇキラッキラやな」
あなた「……凄い、なんか……」
綺麗で、綺麗で……。
同時に、この景色を西谷先輩と見れたらどんなに幸せかと考えた。
今目の前に広がる夜景は、この世が人で溢れ返っている証拠。
その中のたった1人……ただただ西谷先輩の、隣にいたい___。
……会いたいよ。
この海が、宮城と繋がってたら……。
あなた「_______グスッ」
治「!!?」
侑「っ、あなた……?」
いつの間にか垂れていた涙を拭うと、両脇の2人は思いっきり焦った様子だった。
あなた「ぅ……ごめん」
治「ど、どないした……」
侑「おおお俺がずっと手ぇ握ってたんがあかんかったか!?」
取り乱す2人に、悲しいのか楽しいのかよく分からなくなった。
あなた「違うの…………ごめん、大丈夫」
こうしてる今も、きっと西谷先輩はひたむきにバレーと向き合ってるから……。
私にできることは、しっかりセミナー頑張って成長して帰ること!
バチンッッ
侑&治「!?」
あなた「……よしっっ!」
両手で頬を叩いて、渇を入れた。
角名「「よし」って……」
苦笑されて、「もう大丈夫ですっ」と笑顔を向けた。
フワッ
あなた「!」
と、額に誰かの手が置かれて後ろに引かれた。
そのまま体ごと寄りかかる。
侑「ちょお、北さん……?」
北さん……?
なに、なになに!?
北「……俺、気づいたんやけど」
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お知らせです!
誠に勝手ながら、明日更新できません!(-人-;)
……というのも、明日1日で2日分の勉強をやってしまおうと……。
つまり、明後日はもうどちゃんこ更新しまくります(*≧∇≦)ノ
勉強の合間に執筆してたらどっちの効率も悪くなって質も望めないと思ったので……とりあえず明日一日お休みします!
そして明後日は1日書く日にするので!!
明日暇だったら是非1話から読み返してね(((ボソッ
それではまた明後日…!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!