第251話

‥弱点‥
41,995
2020/04/22 22:43
ピピピピッ‥ピピピピッ‥‥




あなた「ん……ぅ」




もう朝か……。


昨日は部活にも参加させてもらって、夜間バレーにもついて行かせて貰って……盛りだくさんだったからなぁ。



ピピピピッ‥ピピピピッ‥‥



止めないと……って、あれ?私、スマホの目覚ましのはずなのに……こんな電子音______




あなた「っ!」



手探りで探し当てた目覚まし時計を止めようとした瞬間、違和感に気がついた。


と同時に、暖かい物に触れる指先。



私と同じく、"誰かが"目覚まし時計を止めようとしたのだ。




のびた腕を辿って視線を移す。




あなた「_________っ治さん!?」




なんっ、なんで、なんでここに……!?



1人用にしては少し広めのベッドに、私と治さんの2人。



治さんは目をうっすらと開けて、ぱちぱちと瞼を動かした。




治「………………っ!?自分、なんでここおるん!?」




え、めっちゃこっちの台詞なんだけど……。




あなた「っ、ちょ、とりあえず足退けて下さい……」



治「足……?」




治さんの足は私の太ももの上に乗っかり、ガッチリと固定されている。


さっきから起き上がろうにも起き上がれない。




治「…………ちょお待って」


あなた「ぅわっ、」




治さんの足が浮いたので起き上がろうとしたけど、再度ガッチリと捕まってしまった。




あなた「なっ、なんで……?」



治「……もぉちょい居ぃや」




……寝ぼけてる?



侑さんみたく、彼女さんと間違えているんだろうか。




あなた「あの……私あなたですよ?」


治「知っとるけど」



何そんなことを今さら……と言わんばかりに目をしかめて、「ちょお、こっち」と首の後ろに手を回した。



ポスンッ



ギュ……ゥ



あなた「!!!!?~治、さん……?」



治「なんかよぉ寝れた思うたわ。自分、抱き心地えぇな」



あなた「ちょ、何冷静に解析してるんですか!」



治「ふ……」



思わず突っ込むと、肩を揺らして笑う。



なんか…………おっきい。




治「……夜中んトイレ行ってな」



あなた「……?」



私を抱いたまま、話始めた。



治「いつもの癖で自分の部屋入ったんや、多分目覚ましもそん時やったんやろな」



あなた「あぁ……。すみません、部屋貸して頂いて……」



治「ええんよ、侑の部屋やと寝相わるぅて敵わん」



あなた「ふふっ。……あの、そろそろ」



治「部屋代や」



あなた「え?」




胸板に手を押し当てて離れようとすると、瞑っていた目を開けてまたギュっと寄せられる。




治「ここん部屋使う代わり、今は黙って抱き枕になっとり……」




いやいやいやいやいや、こんなん寝れるわけないでしょうが!!




あなた「ちょ…………っ、抱き枕以外ならなんでもしますからぁぁっ」



治「あかん。……動くなや」






あなた「__________ご飯作りませんよ?」




治「ほな起きよか、今日もええ朝やなぁ」






宮兄弟の弱点。(寝ぼけて抱きつかれた時)



侑さん‥頭突き


治さん‥ご飯を使った脅し








今日も1日頑張ろう!

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