……コーチ?
あ、こんな成りだから怖いのかな?
あなた「仁花ちゃん、この人一応これでもコーチ……」
烏養「「一応」ってなんだ、おいっ」
谷地「スイマセンデシタァッ!!!」
あなた「!!?」
仁花ちゃん急に土下座したんだけど!?
え、大丈夫!?
あなた「コーチ……何かしたんですか?」
烏養「えぇっ!?ち、違っ___」
あなた「こんな可愛いいたいけな女の子にっ……見損ないましたよ!」
烏養「っ違うんだぁぁぁぁぁ!」
あなた「ナイスキー!今打ったのが田中先輩でね、怖い顔だけどめっちゃ便りになる優しい先輩なんだよっ」
谷地「ほぉ…………」
スパイク練を見ながら説明をしていく。
仁花ちゃんは食いぎみで話を聞いてくれて、話している方からしてもとても嬉しい。
めっちゃいい子や……。
田中「しゃぁぁぁぁっ!!」
縁下「あからさまに喜ぶな田中ぁ~」
なんか言ってるなぁ……。
あなた「あっ、次打つのがうちのエースだよ!」
旭先輩が、乱れたトスに合わせて飛ぶ。
ドゴッ
谷地「ひぃっ……」
ブロックに跳ね返されて、ボールが勢いよく跳んできた___。
パシュッ
谷地「っ!?」
あなた「ぁ、やば……ごめんなさいっ!」
ついつい球技大会の名残で手を出してしまった……。
レシーブしたボールは取りに来た日向の手元に落ちた。
東峰「すまんあなたちゃん!ナイスっ!」
いぇい、とグッドサインを送って仁花ちゃんの横に戻る。
谷地「凄いね……今の」
あなた「えっ、ううん!たまたまだよ~それより気をつけてね、流れ弾」
谷地「っ、あ、今のがそうなんだ……」
なぜかとても納得したように頷いた仁花ちゃん。
先生が入ってきて話を中断し、集合した。
練習試合かぁ……。
どんな相手なんだろう……。
烏養「あなた」
仁花ちゃんと一緒に洗い場に行こうとすると呼び止められ、前に行っててもらうことにした。
あなた「はい」
烏養「明日の練習試合だが……お前の意見を積極的に聞いていこうと思っている」
……?
烏養「まぁ、なんだ。仮アナリストみたいなもんだ。気軽にやってみ」
あなた「……はい」
ということで、明日の練習試合は気が引き締まった。
役に立てたらいいなぁ……。
っと、そうだ肝心なこと忘れてた……。
あなた「菅原先輩っ」
ポールを片付けて倉庫から出てきた菅原先輩に駆け寄ると、ニコニコ笑って「どうした~?」と優しく聞いてくれた。
あなた「今日、この後予定ありますかっ?」
菅原𝓈𝒾𝒹𝑒.°
……え?
今、なんて……。
ゴトッ
と、モップを片付けに来た田中が勢いよくそれを落とした。
田中「っ、ま、まさか2人……まさかぁぁぁっ!」
菅原「ちっ、違う!違うからな!?……えっと、どうした?予定はないけど……」
なにか相談事だろうか。
最近少し危なっかしいとこあるからなぁ……。
俺が聞くと、あなたは天真爛漫な笑顔で敬礼すると言った。
あなた「では、校門で待っております!」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!