第295話

‥行動の意味‥
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2020/05/04 03:30
あなた「……」



照島「烏野かぁ。道理で……」



チラッと澤村先輩を見て、また私に視線を戻した。



母畑「おぉ、よく会うなぁ」


あなた「いや……私は特に会いたくないですけど」


照島「つれないこと言うなよ~!」



ガシッと肩を掴まれて、引き寄せられた。



田中「なっ、おい!!」


慌てて駆け寄ってくる田中先輩を見てから、ふっと笑った。


グイッ


あなた「!」


チュ……



頬に、ふわっと唇が触れた。



あなた「~っ、ちょ、やめ……___」



西谷「離せ」




照島さんの肩を掴んだ西谷先輩は、もう片方の手で私の腕を引っ張った。


その拍子に照島さんから離れて、距離をとった。




照島「……ふぅん?…………」



物色するように先輩を眺めて目尻を下げると、「またな」と言い残して帰っていった。




田中「あぁんだあの野郎……っ!」


影山「知り合いか!?」


あなた「え、えと……今日たまたま会って」


澤村「知らない男についてっちゃダメでしょうが!」



ついていってはないんだけど……。



山口「あ、日向と清水先輩、帰ってきましたよ」



怒られていると山口くんが指差して、田中先輩はすぐさまそっちを向いて叫びだした。




あぁ、また……。


いつものように、西谷先輩も清水先輩の所に行って……。



あの胸の痛さに襲われるんだ……。




グイッ



あなた「ふぇっ」




見たくなくて顔を伏せると、再度腕を引っ張られた。



引っ張ったのは西谷先輩で、スッと手を伸ばしてきた。




あなた「……?先輩?」



先輩の手のひらは、丁度照島さんにキスをされた頬に触れた。



西谷「……何回消毒させんだよ」



あなた「???……_____~っ、!?」




“消毒”



意味が分からず思考を巡らせた私は、今日の試合前の事を思い出した。




あれ、でもなんで唇に……。




先輩なチラッと月島くんのほうを見るので、その理由が分かった。





っ、あれ……見られてたの!?




昨日のあれを見られていたんだったら、今日の行動も府に落ちる。



まぁどうして消毒したのかは分かんないけど。





田中「ご無事で何よりですっっ!!」



皆の視線が清水先輩と、膝をつく田中先輩に集まる中で、私と西谷先輩だけが、ただお互いを見つめ合う。





西谷「…………気ぃつけろよ」




目をそらして、少しだけ頬を赤くしてそっと私の頭に手を置いた。




先輩に撫でられるのは、なんだかとてもくすぐったくて、同時に信じられないくらい幸せだった。








こんなの……期待しちゃうよ。








夕日に照らされて、先輩の顔がもっと赤く見えた。




きっと私も、顔真っ赤なんだろうな……。







ポコンッ♪


ポケットに入れていたスマホが振動し、電子音が鳴る。








取り出して通知を見て、画面を凝視した。







なんで……この人が?







白布 賢二郎
白布 賢二郎
明日暇か?

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