第302話

‥種目決め‥
37,912
2020/05/07 05:13
体育祭。




文化祭と並ぶ大きな行事だ。


勿論楽しみなんだけど……それよりもっと。



西谷先輩と……初めての行事だ。




綾乃「あなた……?あなた!?」



あなた「!なに!?」



またトリップしてた……。


緩んだ頬をぱちぱちと叩いて綾乃の方を向くと、メンバーの用紙を指差した。




女子と男子別れて出場種目について話し合っている。




綾乃「クラス対抗リレー!出てもらえる?」



あなた「え……私!?」



クラス対抗リレーって、男女混合のやつだよね……?


名物の1つじゃなかったっけ……そんなのに私が出ていいのかな?



綾乃「あなた50メートル走クラスで1番速いし!誰も文句ないよ!」


あなた「うぅ……私バトン渡すの苦手なんだよね……」


さくら「大丈夫!!練習すればなんとかなるよ!」



断りにくくて、半強制的に出場することになった。





私が出場するのは、クラス対抗リレー、それからブロック対抗リレー。



リレーばっかり……借り物競争とか出たかった……。




午後からのブロック別会議で各種目の顔合わせだ。





山口「あなたちゃん、何出ることになったの?」



あなた「えっと、クラス対抗とブロック対抗!」



席に戻って尋ねられ、答えるとやっぱり月島くんがバカにしてきた。



月島「君からバトンもらう人可哀想~」


山口「もう、ツッキー……。ちなみに、何走目なの?」


あなた「ん、一走!」


月島「え」


あなた「え?」



なに、この反応……まさか。



山口「確かツッキー、2走だよね?」












絶対に失敗できないバトン渡しが、今目の前に。









さくら「ブロックって縦割りなんだよね~」


綾乃「んで?2・3年にめぼしい人は?」



「めぼしい人」つまり、イケメン。



ブロック別会議に向かいながら、聞かれたさくらは嬉しそうに目を輝かせた。



さくら「勿論山ほど!!なんと言っても4組には____」






?「おーーーっす。宿題終わったかぁ?」



肩に手を回されて、危うく階段から落ちそうになった。



あなた「ほわっ、……菅原先輩……」




誰かと思った……。



ん?



多目的ホールに向かってるってことは……。




菅原「あなたも4組だったなぁそういや」



あなた「あぁ、菅原先輩も……」




なんか、部活の人と同じブロックって嬉しいなぁ……。




……一瞬、西谷先輩がいることを期待したけど。



4、5組進学クラスだからなぁ……。



失礼か。



あなた「っ、げぇ……」



ひょこっと菅原先輩の横から顔を出したその人に、思わず声が漏れた。



澤村「なんだってぇ……??」



グググッ



菅原先輩から私を引き抜くと、首に腕を回してくる。



あなた「ちょぉぉぉ!ギブぅぅ!」



澤村「「げ」ってなんだよ!!」



あなた「だって先輩、私がバトン落としたら絶対怒るもんんん!!」



菅原「落とす前提なんだな……」





それから、縁下先輩と成田先輩も同じブロックだと言うことが判明。






お父さんが2人澤村先輩と縁下先輩と、お母さん菅原先輩まで……。







やばい、失敗できないよ……。

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