第218話

‥絶好のタイミング‥
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2020/04/12 01:18
月島「明日は、僕と会ってよ」






あなた「______________なんで?」



率直な私の疑問に、やっぱり月島くんは顔をしかめた。



月島「いいでしょ別に。西谷さんとは会うくせに」

あなた「それは…………」



私が西谷先輩を好きだから……。



それに、それに月島くんと2人で会ったらなにされるか分かったもんじゃないし……。



月島「ねぇ、覚えてる?キミ、前の合宿誰のおかげで参加できたんだっけ?」


あなた「う……月島くん」


月島「言ったよね、僕の言うこと何でも聞くって」



あ。





『……その代わり、1位獲れたら僕の言うこと何でも1つ聞いて』

『なんっなりと!!』






過去の私を殴りたい。









あなた「すみませんっ、髪乾かしてたら遅くなっちゃって……」

西谷「おう!いいぞいいぞっ」



待ち合わせ場所に行くと、今日はきちんと乾かしてから来たようでいつものツンツン髪だった。



それから自販機前のソファーがおいてあるところへ移動して、腰かけた。



あなた「最近烏野めっちゃ惜しいですよねっ」

西谷「そうなんだよ!もーちょいで勝てるかなぁ」

あなた「音駒負かしたってくださいよ~」

西谷「そのうち絶対負かす!」



話しながら、何て幸せな空間なんだとしみじみ思う。



西谷「なぁ、気になってたんだけど、その絆創膏何?」


あなた「っ!」




きた。


こんなに目立つもんね、なるよね、うん。



なんて言おう……今まで蚊に刺されたって言っても誰も信じてくれなかったし……。



あなた「……蚊に刺されて……」


さすがに厳しいか……?


西谷「なるほどな!俺あんま刺されなかったぜ!!」



え、信じてくれた。


キスマって概念がそもそもないのかも。



あなた「えぇ、じゃあ西谷先輩の分も蚊が寄ってきてるってことじゃないですかぁっ」


西谷「はははっ!あなたの血が美味いのかもな!」


あなた「血液型とかって関係あるんですかねぇ……」




こういう他愛ない話が、私にとって本当に嬉しいことで。


だって少し前までは、ただ思い出の中にいるこの人の背中を思い浮かべることしかできなかったから……。









?「なぁ、なんか別にいい雰囲気でもなくね?


?「これ、俺らが邪魔しなくてもなにも起きないんじゃ


?「いや……見てろ







西谷「やっぱあなたと話すの面白いな!」


あなた「っ、私も……西谷先輩と話すときが1番楽しいですっ」


西谷「ほんとか!?……へへ、なんか照れるな//」


あなた「!!」



初めてかもしれない。



こんなあからさまに、私に照れてくれたのは。



西谷「やっぱ、音駒の奴らとかと話してる方が楽しいのかと思ってたしな……」


あなた「ううん…………だって……私」





今、今がきっと1番良いタイミング……!




手を伸ばせば届く距離にいる。



今だけは、私のことだけを見てくれている。



こんな絶好のタイミング、他にないはずだ。













あなた「私……西谷先輩が________」

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