第105話

‥ロックオン‥
49,303
2020/03/23 23:50
西谷「あんまベタベタすんな」



やばい……幸せ。


多分真っ赤になった私の顔を見て、ニヤニヤする堅治。


まぁともかくも貴方のお陰ですよありがとう(?)




二口「あなた、今日2回戦目で当たって__」

あなた「?」

二口「俺らが勝ったら、告白の返事はOKってことで」

あなた「…………はぁ?」



え、何この人それ自分勝手すぎない?



あなた「無理」


首を振って答えると、また大きく笑った。


二口「ははっ……じゃ、次のデートの約束でも」


次って……前のあれはデートなんかじゃなくて__。


と、堅治を押し避けて前に出てきたのはガタイのいい眉無しの人。


瞬間、西谷先輩は私を離して後ろへ促した。



……なに?


眉無しの人は、まっすぐと指差した。



その先にいたのは、さっきまですぐ近くでオロオロしていた旭先輩だった。


西谷「なんだテメェ……」


つっかかる西谷先輩を、旭さんは止めた。


まっすぐと、両者睨み合う。


?「ちょいちょいちょいちょいっ!止めなさい!!すみません、すみません!!」


さっき堅治を探しに来ていた伊達工の人が、眉無しさんの腕を下ろそうとするけどなかなか下りない。


?「二口、手伝え!」


言われた堅治は口角を上げながら腕を下ろさせた。


二口「すみませ~ん。コイツ、エースと分かるとロックオンする癖があって~。だから__今回も・・・覚悟しといてくださいね?」



そう言って、去っていった。





今回も……?



居なくなってから、わちゃわちゃ話しながら考えた。



今回も……。


西谷先輩と、旭先輩が何やら複雑そう……。



次いで、堅治が以前いっていた「烏野には負ける要素がない」の発言が繋がった。



そっか……旭先輩がチームを去った原因は、あの__。


影山「おい」

あなた「っ、うん?」


考え込んでいて、皆の視線が集まっていることに気がつかなかった。



影山「彼氏じゃ、ねぇだろ……?」



皆の不安そうな顔が見える。



あなた「っ違いますよ!?そんなんじゃなくて__」

西谷「告白の返事って……」


あぁ、もう堅治、私が困るだろうと思ってわざと……。


あなた「……告白は、ちょっと、ありましたけどもう、いいじゃないですかこの話は!アップとりに行きましょう!!」


あまり根掘り葉掘り聞かれると困るし、皆の背中を押して進むことにした。





堅治め……。



あとで会ったらしばいてやる……。

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