第236話

‥しゃあない‥
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2020/04/20 03:18
治「ぅんまぁっ、ほんま信じられへんくらい美味いわぁ」


あなた「よかったです……」




この人……今何杯目??



明日の朝御飯にも作りおきできそうだと思ったのに、もうあと2人分くらいしか残ってない。


侑「よぉ食うやろ。サムの腹ブラックホールやからなぁ」


……にしても食べ過ぎでしょ。心配になるわ。



侑「サム、その辺にしとき。この後運動すんやし」

あなた「…………運動?」



この時間から……?



治「夜間や」


お皿に残ったご飯粒をたいらげてから両手を合わせてそう言い、「ごっそさん」と頭を下げた。


あなた「夜間……?」

侑「夜間バレー。…?これ関西弁とちゃうやろ?」





……夜間バレー…………!




侑𝓈𝒾𝒹𝑒.°




なんや、目ぇキラッキラさせて……。



犬か、子犬なんかワレは。



まさか……。



侑「……一緒に、行きたいんか?」



あなた「っ!…………い……行きたいっ!」




再度目を輝かせて、ズイッと詰めよって来よった。



侑「…………」



これは…………“どっち”や……?



治「ええんちゃう?」



答えあぐねる俺に、治が珍しく食器を片付けながら言った。



侑「……」


あなた「……すみません、迷惑ですよね……」



あからさまにしょぼんと肩を落とした。




っああもう!



侑「しゃあないわもうっ、勝手について来ぃ!」


あなた「っ!~っ、ありがとうございます!!」




「着替えてきますね!」と浮き足だって、2階に上っていった。






侑「……なんのつもりや、サム?」



治「これで分かるんちゃう?“どっち”なんか」






あぁ、ね。



サムらしいわほんま。




あの子には悪いけど、確かめさせてもらおか。




あなた𝓈𝒾𝒹𝑒.°




バレー……。



バレーだバレーだっ!!



烏野の皆のバレーを見ることができなくなって、正直不足気味だった。


一種の中毒症状か何かだろうか。



セミナーでも、あってもプロジェクターで試合を映す程度だし物足りない感じがあった。



あなた「ふんふふ~んっ……!」



制服からTシャツと短パンに履き替えて、リビングに降りた。







侑「ほな行くで。市民体育館やけぇ歩いてすぐや」



あなた「ぁす!!」

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