彼女side
君に本気だから、毎日が楽しくなった。
君に本気だから、学校「苦」ではなくなった。
君に本気だから、君が愛してくれた。
君が愛してくれたから、絶望なんて知らなかった。
「おはよう!あなたっ!」
君がいるから。
「ごめんな。こんな彼氏で」
君が、優しすぎるから。
今が、絶望でしかない。
お願い戻ってきて。
悪かったところは直すから。
1番怖いのは、望んでないのは、
君と別れることだから。
こんな、彼女でごめんね。
引き留めて、ごめんね。
でも、どうしても君から「別れよう」の言葉は聞きたくなかったよ。
頑張るから、もう1度チャンスを頂戴。
君をもう1度惚れさせます。
約束する。
絶対やって見せるから、どちらかの、命が尽きるまでに。
だから、「好きかどうか曖昧」だなんて
言わないで__、
~5年後~
「そういや、あのころ1回別れかけたよな」
「あなたがもう1度惚れさせるって、言ってくれた時は嬉しかったな」
「だって、あん時あなた学校遅刻してったもんな」
「その節はほんとにごめん」
「え~」
「ごめんな」
チュッ
軽快にリップ音が響いた。
「だって、仲直りのちゅー」
「そんなの、俺がもう1回好きになったときでしょ」
「だって、すっごく幸せそうな顔に戻ったから。
俺の大好きな、笑顔に」
「かーわい」
1度ちぎれかけた糸はまた結びついた。
そして、私はまた君の隣で笑っていられた。
ありがとう。
こうやって、すれ違っても、思いが行き過ぎても、
また、2人で笑っていようね。
愛してる ___、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!