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第30話

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3,937
2018/12/17 07:05
「 風磨 、 見て ! 」
水族館に入った途端 、あり得ないほどハイテンションになる彼女 。

連れてきて良かったなあ って 、 ほんとに思う 。
「 わあ 、 この魚 綺麗 〜 。」
『 ん ? これ ? 』
顔を水槽に近づけて 、 彼女が指差す魚を目で追う 。
「 へへ 、 可愛い 〜 。」
『 え 、 あなたのほうが可愛いんだけど 。 』
「 な っ ! そういうことじゃなくて … えと 、 嬉しいんだけど …  。」
『 はいはい 、 1人でにらめっこしなくて良いから 、 次行くよ 。』
「 にらめっこ なんか 、 してないし !」
大水槽のブースで 、 子供のように 彼女が 水槽に見入っている 。
「 うわあ 、 大きい … 。 」
俺は 、 そんな彼女を見るだけで 十分楽しい 。 こんな楽しそうなあなたを 、 久し振りに見た気がする 。 
「 あ 、 イルカショー行こ ! 」
『 え ? ちょ 、 速いって !』
彼女に腕を引かれ 、 イルカショーのブースに連れて行かれた 。  
『 お前 、 速すぎ 。 』
「 だって 、 時間ギリギリだったもん 。 」


「 駄目だった … ? 」
首を コテンと 軽く傾げ そう聞く彼女が 、 あまりにも可愛すぎて 、 それ以上文句なんか言えなくなった 。
『 駄目じゃねえよ 。 』


『 ほら 、 もうすぐ始まるって 。』
「 ふふ 、 楽しみ 〜 ! 」

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