『ただいま。』
「おかえり。」
リビングから、俺を迎えに走ってくる彼女。
ほんと可愛い…よな…。なーんて。笑
" ただいま。 " と、もう一度言い、軽く触れるだけの口付を落とす。
「…ん。おかえり。」
彼女が俺にぎゅうっと抱き着いて、顔を胸に埋める。
『ん?寂しかったの?』
左手で頭を撫で、右手で彼女を抱き締め返しながら、そう聞いた。
「寂しかった…。」
『ふは。素直じゃん。』
「だって、寂しかったもん…。」
『ん、後でいっぱい構ってあげる。』
「ほんと?」
ぱあっと顔が晴れ、嬉しそうに俺を見上げてくる。
『ほんと。じゃ、風呂入ってくるわ。』
「行ってらっしゃい。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。