風磨 side
『じゃ、またな。』
マ「うん、ばいばーい。」
聡「またねー。」
勝「ばいばい。」
健「ん、また。あ、あなたちゃんもまたね?」
あなた「…えっ!?あ、うん…。また…ね。」
何?
何でそんなに動揺してんの?
さっきから、中島の方を見ては顔紅くしてるし。
…俺の、気のせい?
あなた「…ふ…ま。ね、風磨。」
『ん?あ、ごめん。』
あなた「どうしたの?大丈夫?」
『いーや、何でもない。ほら、帰ろ?』
彼女に手を差し出すと、彼女は “ へへ。” と照れ笑いをして、手を重ねた。
やっぱ、俺の気のせいか。
ってか、呑み過ぎて 理性とか飛んでいきそうなんだけど。
早く 帰ろっと。
…
『…は?』
家に着いた途端、彼女を抱き締めた。
すると、鼻孔を微かに くすぐる いつものあなたと違う匂いがした。
それも、俺の知ってる香り。
そのうえ、首元には薄く紅い花が咲いていた。
あなた「風磨?どうしたの?」
俺は、本当の事を聞きたくて、でも聞きたくなくて…。
意を決して、こう呟いた。
『なあ、“ 中島 ” と何してた?』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!