私が公園のベンチに座ってから1時間がたった。
瑛斗は…………来なかった。
でも…………離れられない。
もう少し待っていよう、としたらもう1時間がたっていたのである。
何か寒いな…………
もうこんな時期か。
すると、ポツポツと雨が降りだした。
まるで、漫画のように。
私以外誰もいない静かな公園に、雨の音が響きわたる。
親切な人だな。
え…………!?
み、見られてた………
でも、私がずっとここにいるのが分かってるなら……どこにいたんだろう。
え…………
瑛斗と同じところじゃん………
転校…………
福井………
え?
私のこと知ってるの?
瑛斗………私の話してたんだ。
それから、私は本田さんと瑛斗のことについて色々話した。
芽衣………?
福井県出身………
たまたま?
それとも…………………
ねぇ、
芽衣ちゃん…………………
状況がよく把握できてないよ。
どういうこと?
瑛斗のこと…………
知ってたの?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。