第72話

文化祭2
280
2019/10/26 00:04
春川美織
いらっしゃいませ!ご主人様っ!
そういうと、大抵の男子はにやけてついていく。


単純っ!



一方、うちのクラスの男子は爽やかスマイル。


女性客を迎え入れ、案内してる。


まあ、女子もみんな目がハートになっているわけだけど。




私は………


今は呼び込みをしている。


はぁ………


接客も嫌だけど、これはこれで嫌。


そんなわがままは言ってられないけど……嫌。



春ちゃん
ちょっとぉー!?ちゃんと呼び込みしてよー!
あなた

あ!し、してるよー?
で、でもさぁ、中々みんな来てくれないんだよねぇー!

春ちゃん
………そっか。じゃ、瑛斗くんも呼び込みよろしく!
え?


女性客を見ると、残念そうな目。


実をいうと、瑛斗って結構人気あると思うんだけどなぁ。

カッコいいし///

野村瑛斗
呼び込みか……おもしろくなさそー。
あなた

じゃあ、接客は楽しいの?

野村瑛斗
別に。呼び込みよりはマシかなって思っただけ。
あなた

そうだよね。

瑛斗と過ごす一つ一つの

行事が

出来事が

時間が

時が


最後だと思うと、うまく話せなくなってしまう。



大事に過ごさないといけないのに。

野村瑛斗
あなた?
あなた

え?

野村瑛斗
いや、ボーッとしてるなって思って。
あなた

な、なんでもないよ。


こうやって



言葉を交わすのも


名前を呼ばれるのも




あと何回だろうか。



きっとあっという間に過ぎていく。




野村瑛斗
おーい!

本当、大丈夫か?
あなた

う、うん!

野村瑛斗
このままやってても入ってこないし……やるか!
あなた

は?

野村瑛斗
ご主人様って言ってればいいの。ニッコニコの笑顔でね?
あなた

う、うん……



そうして、私と瑛斗が本気で呼び込みをしだすと、結構呼び込めた。
春ちゃん
あ!二人とも!接客よろしく!
野村瑛斗
はーい。
あなた

はーい。

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