第25話

day.25
5,251
2020/12/10 13:37
竈門炭治郎side





あなた

逃げろ、!

姿が見えないところまで走れ!! 絶対に見つからない所へ___!




俺のヒノカミ神楽とあなたさんの血鬼術で何とか無惨は斬れた。





皆の援助もあって。






























しかし本当の悪夢はそこからだった。




























無惨の身体が砕け散る前にあなたさんを体内に取り込もうとする。

















あなたさんは俺たちに向かって叫んだ。























逃げろ、と、。




























状況が理解できなかった、それに加えて全身の疲労が比ではない。


















上手く、立ち上がれない。








































































やがて無惨は細胞からバラバラになって、消えた。
























その場には下を向いた状態で立つあなたさんが居て。































俺は直ぐに駆け寄った。






































竈門炭治郎
竈門炭治郎
あなたさん、あなたさんッ、

顔を上げてください、顔を___



















































この時既に俺は気が付いていた。






















あなたさんから、微かにあった人間の匂いが無くなった事に___
























































我妻善逸
我妻善逸
炭治郎!!  離れろ!!

あなたさんは__

















善逸がこちらに向かって叫ぶ。














そうだよな、善逸も分かってるよな。




































































































あなた

ギロッ



































あなたさんが完全に鬼になったこと____








































































無惨よりも濃い鬼の匂い。












ただし人間を喰っていないから悪臭では無い。










































だからと言って今のあなたさんは完全に自我を失っている。

















































ドンッ























気付いたら俺はあなたさんに押され、壁に固定されていた。

































なんの光も映し出さないような真っ黒な目。





































































竈門炭治郎
竈門炭治郎
……?
















俺はその時、不思議な事に気がついた。


























小刻みにあなたさんの匂いが変わってる。





































人と鬼が交互に____





















































































あなた

ごめん、ごめん、炭治郎……

斬って…このままじゃ、皆傷付けちゃう、皆____



























ふと顔を上げるとあなたさんは泣いていた。














今の匂いは人間……





















































































沢山助けてもらった。











沢山笑った。











沢山話した。












沢山、沢山、沢山_____数え切れないほど。






































































竈門炭治郎
竈門炭治郎
ごめん、なさい、……

俺にはあなたさんを斬れません_


































斬ろうとしても手が震えて上手くできない。

















斬れない、斬りたくない、。


























































































ドンッ

















再び鈍い音がした時、あなたさんは俺から勢いよく離れた。


















































今度はまた鬼の音になってる____




























































































































我妻善逸
我妻善逸
あなたさん……




















































































善逸は、自我を失い鬼になったあなたさんを抱き締めた。



































強く、離さないように______






























































































































我妻善逸
我妻善逸
この時のために俺に手紙くれたんですよね……  ごめんなさい、。

でも俺も、斬れそうに、ないです、。






























































































善逸はそう呟くとあなたさんの背中に何かを突き刺した。













































































我妻善逸
我妻善逸
だからせめて、今日は、

俺があなたさんを助けさせてください____

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