あなた 「 んっ 、たかっ … 、し 、くん 。」
私の体にまとわりつくそれは
微かに汗の匂いがした 。
何度も角度を変え触れる唇が熱くなっていく 。
体が熱を帯びていく感覚がわかる 。
古い資料からする埃っぽさも 、
あなたのそれが気にさせない 。
キュッと 、彼のジャージを握ると 、
我に帰ったかのように彼が動きを止めた 。
高橋 「 悪い 、」
あなた 「 … うん 、。 」
特別棟3階 、旧図書室 。
新校舎が建てられた頃から使用が終わり 、
今となってはただの書庫 。
いつの間にか止んだ雨 。
先ほどの空と変わって現れた
オレンジ色の夕日が彼と私の顔を照らす 。
高橋 「 なんか 、、、 あった ? 」
何冊もの本が敷き詰められた
大きな本棚の前に二人で座り込む 。
あなた 「 … 元彼と少し話した 、
ただそれだけだよ 。」
高橋 「 そう 。」
彼の大きな手が私の頬に触れる 。
いつの間にか垂れていた涙を
そっと拭ってくれる 。
なんでだろうね 、
君の前だとこんなにも弱いなんて 。
高橋 「 悪かったな 、急に連れ出して 。」
あなた 「 ううん 、正直助かった 。」
高橋 「 珍しく素直だな 。
いつも我慢ばっかしてるくせに 。」
なんで知ってるの 。
ほとんど話したことなんてないのに 。
ただ 、あの日
少し不思議な関係になっただけなのに 。
すっと 、立ち上がって笑いかける君が
夕日に照らされてるせいか眩しい 。
高橋 「 帰ろ 、ほら 。」
すっと私の前差し出された手を握り
立ち上がる 。
高橋 「 雨 、止んだな 。」
あなた 「 … だね 。 」
まただ 、また私は動けない 。
まだ 、君と一緒にいたいと思ってしまう 。
高橋 「 雪村ってさぁ 、袖掴むの好きなの ? 」
扉に手をかけていた君の手が
私の方へと伸びてくる 。
高橋 「 俺以外の男にすんなよ 。」
その言葉がどういう意味なのか
考える暇なんて与えてくれなかった 。
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今後の物語の描写についての
アンケートです 。
参考にさせていただきたいので 、
ご協力お願いします 🙏
アンケート
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R18描写無し
17%
R18描写有り
83%
投票数: 1114票
↑ 有りの意見を多くいただいても 、
書くかどうかはまだわかりません 🙇♂️
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。