第12話

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2022/10/01 08:49


 あなた 「 んっ 、たかっ … 、し 、くん 。」


  私の体にまとわりつくそれは
  微かに汗の匂いがした 。

  何度も角度を変え触れる唇が熱くなっていく 。
  体が熱を帯びていく感覚がわかる 。


  古い資料からする埃っぽさも 、
  あなたのそれが気にさせない 。


  キュッと 、彼のジャージを握ると 、
  我に帰ったかのように彼が動きを止めた 。


 高橋 「 悪い 、」

 あなた 「 … うん 、。 」


  特別棟3階 、旧図書室 。
  新校舎が建てられた頃から使用が終わり 、
  今となってはただの書庫 。

  いつの間にか止んだ雨 。
  先ほどの空と変わって現れた
  オレンジ色の夕日が彼と私の顔を照らす 。


 高橋 「 なんか 、、、 あった ? 」


  何冊もの本が敷き詰められた
  大きな本棚の前に二人で座り込む 。


 あなた 「 … 元彼と少し話した 、

      ただそれだけだよ 。」

 高橋 「 そう 。」


  彼の大きな手が私の頬に触れる 。

  いつの間にか垂れていた涙を
  そっと拭ってくれる 。
  

  なんでだろうね 、
  君の前だとこんなにも弱いなんて 。


 高橋 「 悪かったな 、急に連れ出して 。」

 あなた 「 ううん 、正直助かった 。」

 高橋 「 珍しく素直だな 。
      いつも我慢ばっかしてるくせに 。」


  なんで知ってるの 。
  ほとんど話したことなんてないのに 。

  ただ 、あの日
  少し不思議な関係になっただけなのに 。



  すっと 、立ち上がって笑いかける君が
  夕日に照らされてるせいか眩しい 。


 高橋 「 帰ろ 、ほら 。」


  すっと私の前差し出された手を握り
  立ち上がる 。


 高橋 「 雨 、止んだな 。」

 あなた 「 … だね 。 」


  まただ 、また私は動けない 。
  まだ 、君と一緒にいたいと思ってしまう 。


 高橋 「 雪村ってさぁ 、袖掴むの好きなの ? 」

  
  扉に手をかけていた君の手が
  私の方へと伸びてくる 。


 高橋 「 俺以外の男にすんなよ 。」




  その言葉がどういう意味なのか
  考える暇なんて与えてくれなかった 。


  .


  今後の物語の描写についての
  アンケートです 。

  参考にさせていただきたいので 、
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